June 22, 2008

憂い

憂い430×305mm 結城 公子 作

 今まで細いアウトラインで繊細な作品を制作してきた過去の作品と比べ、この作品は画面いっぱいに大胆な構図で描かれています。全体にちょっと不安定な感じもありますが、それがこの作品のタイトルである「憂い」をより効果的に見せているようです。
 作者の結城さんは最近次々と新鮮味のある作風に挑戦していて、毎回ギャラリーでの展示が楽しみな方。もともとストレートで実直な感じの作品を作られているのだと思っていたのですが、ある時はユーモアあふれる作品を、ある時は構図を工夫して鮮やかな切れ味のあるレイアウトを、ある時は品のある小作品を…とここ数年で様々な面を見せてくれました。
 今回は「あお」というテーマに、彼女なりの心象風景を無駄のないラインで、力強く表現しています。どこか遠くを眺めながら憂いにひたる女性…。涙の中にある富士山は日本を象徴しているのでしょうか。モノトーンに青い涙が効果的に光っています。
 また次の作品展でどんな作品を見せてくれるのか…とても楽しみな作家です。

(「青・蒼・碧!」出展作品 2008.6.7〜6.29 於:剪画アート&スペース)


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