March 02, 2019

つらつら椿

つらつら椿南舘 千晶 作 420×594mm

 つらつら椿は、万葉集の中に出てくる言葉で、連なって咲く椿の意味があるそうです。
 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を (坂門人足)

 万葉集と直接関係あるシーンではないと思いますが、あたり一面に咲き誇る椿の花と、その中に佇むちょっと神秘的な感じのする和服の少女。とても印象的な作品です。
 複雑な色合いに見えるこの作品ですが、実際は黒と赤にムラ染めされた1枚の和紙をカット。その強い陰影が、不思議な雰囲気を演出し、不思議な世界を完成させました。この1枚だけで、背後にある物語を見る側に想像させてくれます。
 背景には少しシワのある素材感ある和紙を配置。ムラ染の和紙と合わせて紙の質感を最大限に活用した作品だと思います。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  

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March 01, 2019

庭先で

庭先で日野 晴美 作 320×410mm

 庭先で遊ぶスズメたちと庭の樹々、花々を描いた作品です。様々な色合いの和紙を切って何重にも重ねることによって、向こうから射している光をうまく表現しました。淡い色合いの和紙から濃い色の和紙、そして黒和紙…。丹念に切り抜き、貼り合わせる作業にはそれなりの時間がかかったことでしょう。
 また、クチバシや羽の広げ方など、本当に良くスズメを観察して描いていると思います。スズメたちの動きが、画面の中に生き生きとした生命感を吹き込んでいるようです。
 和紙の美しさを活かした繊細な作品を、是非近くでご鑑賞ください。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
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February 25, 2019

夢幻

夢幻仲島 あい 作 300×420mm

 仲島さんがSenga Feminaに出展するために制作したのがこの作品です。可愛らしいコスチュームに身を包んだキャラクターが夢の国に人々を誘っている図でしょうか?
 仲島さんが描くキャラクターは、アウトラインも色合いも、アニメやマンガのようにクリアではっきりとしています。それだけに背景によってはとても現実的な雰囲気になると想うのですが、ムラ染めの和紙を使用することによって、ちょっと不思議な世界が描き出されました。色のにじみと柔らかな広がりと…。
 くっきりとした輪郭線と和紙の優しい色合いを組み合わせて、独特の世界を演出した作品です。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
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February 22, 2019

ガーデン

ガーデン青山 政枝 作 530×715mm

 来月4日から開催される「Senga Femina 2019」に展示する作品をいくつかご紹介させて頂きます。この作品展には16名の女性作家が出展。会場となる「ギャラリー暁」は剪画アート&スペースよりも広いので、各作家さんはより大きな作品を制作、展示します。
 青山さんのこの「ガーデン」も、広い面積に1つ1つ丁寧に花を配置するいことによってゴージャス感を演出。こうした花々の配置は、バランスがとても大切ですが、小さい花びらを薄い色合いで後方に配置し、鮮やかなメインの花をうまく引き立たせました。
 また、蝶を描きこむことによって、絵の中に動きを出しています。華やかで優しい色合い。青山さんらしい素敵な作品です。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
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December 06, 2018

幸運を呼び寄せる干支飾り〜亥〜

幸運を呼び寄せる干支飾り〜亥〜岡田 桂子 作 350×260mm

 岡田さんは次の年のラッキーカラーを調べ、干支の絵に使い、玄関に飾っています。来年のラッキーカラーは金と白だとのこと。
 まるまるとした猪がウリ坊といっしょに走っている姿を、金色を散らした白い和紙に貼りました。それだけでは少し寂しいので、走っている時に感じる風を、お正月らしい赤と緑で表現。作品は、躍動感がある華やかな絵柄に仕上がりました。
 絵の中にある赤い縁取りをした「亥」の文字は、ご自身が筆で描いたもの。岡田さんにとって、来年も素敵な年になりそうですね。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
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December 03, 2018

干支 いのしし

干支 いのしし青山 政枝 作 242×272mm

 剪画アート&スペースでは作品の絵葉書を販売しています。干支展はご来廊の方が年賀状の絵を参考にしたり、そのまま年賀状として使って頂くためにご購入くださる方も多いです。
 そんな中で、毎年「福」の文字を入れて干支作品を作ってくださる青山さんの作品の絵葉書は、とても人気があります。優しげな親猪とにこやかな子猪の表情に、「かわいい〜!」声を上げた方も…。
 切り絵らしく黒をしっかりと使いながらも、赤、金、緑とお正月カラーを使い華やかに仕上げているのも魅力。新しい年を寿ぐのにふさわしい素敵な作品だと思います。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
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December 01, 2018

4羽の子豚

4羽の子豚神田 いずみ 作 245×185mm

 日本では来年亥年ですが、中国始めその周辺地域には亥年はなく、豚年となるそうです。そのため今回のタイトルに豚を加えたのですが、搬入締切になっても豚を描いた作品は集まりませんでした。それを聞いた神田さんが急いで作ってくれたのがこの作品です。
 神田さんは美しい作品やストーリー性のある作品も作りますが、クスッと笑わせてくれるようなユーモアあふれる作品が秀逸です。美しく優雅な4羽の白鳥を、ふっくらとしたピンクの豚さんたちに踊らせるあたりは神田さんらしいく、楽しい演出だと思います。
 中国では豊穣と豊かさを意味するという豚さんたち。来るべき年にあやかりたいですね。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
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November 29, 2018

頑張るぞ!

頑張るぞ!結城 公子 作 100×148mm

 結城さんは今回の作品展にはがき作品を3点出展して下さいました。そのうちの2点は、縦型で、彼女自身のメッセージが書かれています。
 絵柄は極限的までシンプルに描かれ、それでいて力強く魅力的。この「頑張るぞ!」に描かれた猪さんは、天にむかって飛び上がっているようにも見え、躍動感があります。
 剪画を制作しているとだんだん細部にこだわるようになり、複雑な絵柄を描くようになります。もちろん繊細で手の込んだ技工は剪画の魅力のひとつですが、シンプルでありながら訴求力のある作品は、また一味違った魅力があるのです。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
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November 26, 2018

三匹のウリボー イチゴ

三匹のウリボー イチゴまるぽ 作 100×148mm

 この「三匹のウリボー」シリーズは、カレンダーに入れる6つの絵を描いたものです。それぞれにレンコン・イチゴ・アスパラ・スイカ・サツマイモ・カキと共に、3匹のウリボー兄弟が遊んでいる様子が描かれ、とてもキュートです。
 はがきサイズの作品ですが、細かいところまで色をいれてキチッと仕上げています。そして背景には和紙らしい風合いを活かした耳付きの落水紙を使用し、やさしい風合いを出しました。
 温かい目で見守る、イキイキとしたわんぱくっ子たち。子育て中のまるぽさんならではの、素敵な作品です。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
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November 22, 2018

山よりでっかい猪は出ん

山よりでっかい猪は出ん菅谷 順啓 作 227×487mm

 猪がいくら大きくても、それ自体が住まう山より大きいことはない…。入れ物より中身が大きいことはないという意味に使われたり、大きな仕事を前に緊張をほぐす時に使われる言葉だそうです。
 お正月らしく、明るい色合いが使われている干支の作品の中にあって、この作品は、色合いも線の表現もとてもシンプルです。山は太くシンプルなラインで表現され、使われている色も茶色と黒。ふっくらと描かれた文字もすっきりと読みやすく配置されています。
 猪の姿はちょっと古式で木版画でプリントされたような雰囲気。派手ではありませんが、どっしりとした貫禄のある作品です。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
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November 20, 2018

赤の時

赤の時六郷 もと 作 275×395mm

 朝日が昇る時…か地平線の無効に沈む時、家族で静かなこのひとときを楽しむ猪たちの姿。美しい赤いグラデーションの色合いと山並みの姿がぴったりと合った、幻想的な作品です。
 実はこの作品は「青の時」と対になっています。左右が反転した青の作品は、雪が降っているかのような静寂を感じさせる風景。同じ絵柄ながら、全く違った世界が広がっているのです。
 両方共、猪の姿を克明に描いた作品ではありませんが、その家族が睦み合う世界を描いた素敵な作品となっています。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
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November 19, 2018

ねぶた 金毘羅大権現

ねぶた 金毘羅大権現高橋 隆 作 830×265mm

 青森のねぶたに表現される猪を描いた作品です。海上の守護神として古くから漁師たちから信仰を集めていた金毘羅権現は、薬師十二神将のうちの亥の神でもあるそうです。このねぶたは、分身である黄金色の猪と共に海上に現れ、荒波を沈めた…という場面を描いています。
 高橋さんはねぶたの光に照らし出されている姿を描くため、ごく薄い和紙を部分的に重ね、猪の濃淡を出しました。実際のねぶたでは白い和紙が使われているところは、赤に変えて全体の力強さを演出しています。主役の猪が前にせり出しているような構図もとても迫力があります。
 鮮やかで力強いねぶたの猪、是非実物を御覧ください。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
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November 16, 2018

亥 #1

亥 #1南舘 千晶 作 205×300mm

 花札のデザインをお正月用にアレンジした作品です。実際の猪の札は7月で萩と共に描かれていますが、この絵の中には梅や松、日の出などが取り込まれ、お正月らしい雰囲気が演出されています。
 作品には赤系の色が多く使われていますが、新年らしい真っ赤な色ではなく、えび茶色に近い赤や、落ち着いたピンク、薄い茶色など渋めの色をバランスよく配置。南館さんらしいセンスの良さを感じさせてくれます。
 猪の柄には細かいタッチを用い、雲や梅の花には安定して美しい線をカッティング。隅々まで配慮の行き届いた秀作だと思います。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
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November 15, 2018

猪の目に福

猪の目に福猪の目に福

日野 晴美 作 270×326mm

 竹の装飾を背後に猪が走っている姿を描いた作品。
 この装飾については作者の日野さんが説明しているので、引用します。「可愛いハートの形ではありますがハートではありません。猪の目(いのめ)=イノシシの目に似ている所からという一説=というもので神社やお寺のいろいろな所の装飾に施されている形です。水を守護するイノシシの目という事で火除けのお守り そして獣の目力には魔除け 厄除けの意味があるとか…。福を招く護符の意味合いもあるそうで そういえば鈴の穴の部分にもこの形を見る事があります。」
 色合いも美しく、新年を寿ぐにふさわしい作品だと思います。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
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October 12, 2018

停車場の時計

停車場の時計結城 公子 作 297×210mm

 結城さんは、何枚かのシーンを描いた作品を出展して下さいました。「停車場の時計」を5シーン、「布団の代わり」を6シーンです。
 佐治の若者が町の停車場で大きな時計を見て、小さな時計よりもずっと大きいこの時計は、針が一周するのに間日かかるのだろうと考える…というお話。絵で説明するのが難しい小話ですが、絵柄そのものがモノトーンでシンプルなため、ユーモラスなこのお話に似合っています。
 訪れた方は、絵を見ながらストーリーの流れを追って楽しんで下さっているようです。紙芝居のようなこの連作、語りと共に見て頂くのも良いかも知れません。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース)  
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October 09, 2018

人魚姫の思い I

人魚姫の思い I六郷 もと 作 415×275mm

 今までご紹介してきたのは、日本の昔話をもとにした作品でしたが、この作品はアンデルセンの人魚姫を下敷きにしています。そしてこの絵は、ストーリーを説明する場面ではなく、主人公の心象風景を描いているようです。
 和紙を切り抜き、和紙で彩色している作品ですが、人魚姫の鱗の部分は絵の具と網ブラシを使って上から微妙な陰影を付けています。また、背後の空の色も、青系の和紙の後ろにオレンジ色の和紙を敷くことによって、複雑な色合いになりました。
 色にこだわり、工夫をして仕上げた美しい作品です。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース)  
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October 06, 2018

鶴の恩返し

鶴の恩返し南舘 千晶 作 210×297mm

 お馴染みの鶴の恩返しの物語、この話は特に女性に人気があるようです。
 この写真は、額装する前に南館さんがスキャンした絵ですが、実際の額装された作品は、羽の部分が背後に、人の姿は手前に置かれた塩化ビニールに挟まれて前方に配置されています。そのため、白い羽の上にわずかに人物の影が落ちるようになりました。
 カラフルで美しい羽とその前に静かに佇む女性…。哀愁のある日本の昔話を美しく、はかなげに描いています。この半立体の作品は、写真ではわかりにくいので、是非実物を鑑賞して下さい。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース
  
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October 04, 2018

つばめのおんがえし

つばめのおんがえし菅谷 順啓 作 242×272mm

 千葉県木更津の成就寺の本堂の軒に巣を作っていたツバメたちが、そのお礼にお寺の周囲のマムシを退治した…という話に基づいて制作した作品。和尚さんはツバメたちに感謝をしつつ、駆逐された蛇たちの供養も行ったそうです。
 今は穏やかな毎日を過ごす和尚さんと、元気に飛び回るツバメの姿。シャープな線で描かれたツバメたちと、和尚さんの姿はほぼモノトーンですが、背景の色合いに温い色味を使って、良い雰囲気を出しています。
 この物語の最後のシーンを見るだけで温かい気持ちになれる、素敵な作品です。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース)  
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October 03, 2018

ざっぱ〜ん!

ざっぱ〜ん!まるぽ 作 242×272mm

 数ヶ月前に出産したまるぽさんは、現在二人のお子さんの育児真っ最中。それでも時間を見つけて作品を制作してくれました。
 波を荒立てるかのように飛び上がる魚。その勢いに飲み込まれそうになりながら、雄々しくお椀の船を漕いでいる一寸法師の姿は、作者の生活感を表しているかのようです。
 色彩はシンプルにモノトーン。鱗や波は細かいラインで描かれていますが、魚の輪郭はギザギザや太細をつけるなど、工夫がなされています。剪画を貼り付けた台紙も、ざらざらとした質感があって、この作品にぴったり。
 剪画らしく、力強い作品です。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース)  
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October 01, 2018

金太郎・桃太郎

金太郎・桃太郎高橋 隆 作 388×272mm

 日本人なら誰もが子供の頃聞かせてもらった物語、金太郎と桃太郎。今回高橋さんは、その主役を物語の挿絵的にではなく、人形の形で描きました。このたくましく、そして可愛らしい人形たちは、お孫さんたちの節句の飾りとも関係があるのではないかと思います。
 ふっくらとした顔立ち、お決まりの殻がけや鎧、その一つ一つが丁寧に描かれていて、色合いも鮮やか。背景の格子柄も明るく、物語の主役を引き立てています。
 なつかしい金太郎や桃太郎のストーリーを思い出しながら鑑賞して下さい。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース
  
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September 29, 2018

かにのふんどし

かにのふんどし青山 政枝 作 242×272mm

 この作品も佐治谷ばなしを描いたものです。お嫁さんの実家に招かれたお婿さん。蟹が食卓に出た時の食べ方を教わりますが…。
 短い笑い話ではありますが、この絵には話の中に出てくる要素をすべて盛り込んであります。山間にある婿殿の家、お嫁さんの実家で入ったお風呂、出されたお膳…。ユーモラスなお婿さんの表情や、ちょっと驚いたような表情をしたお嫁さんの様子も、見る側の笑いを誘います。楽しい絵柄と明るい色彩…いかにも青山さんらしい作品です。
 剪画では普段あまり描かれないコミカルな一場面。ギャラリーには佐治谷ばなしの本も置いてあるので、是非読みながら楽しんで下さい。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース)  
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September 28, 2018

和尚にならえ

和尚にならえ日野 晴美 作 412×295mm

 庄屋さんに招かれた村人たち。作法を知らないので、和尚さんの見なが真似をしましたが…。
 佐治谷ばなしの「和尚にならえ」の一場面を描いたこの作品、横目で和尚さんを見ている目つきや、おっかなびっくり食事している様子がなんともユーモラスな感じです。色数を極力抑えることによって、かえって彼らの表情が生き生きと伝わる効果を生み出しました。
 背景に使われているのは、この夏かみんぐさじで日野さんが自分で漉いた和紙。黄色味の地に白い素材を入れたオリジナルな素材です。
 素朴な昔話を、それに合った素材を使って仕上げた素敵な作品です。

(「昔話 ものがたり」出展作品 2018.9.26〜10.13 於:剪画アート&スペース
  
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September 13, 2018

落し文

落し文結城 公子 作 242×272mm

 落とし文とは、ひそかに意中の人に読んでもらうように故意に落とす恋文のことだそうです。が、ここに描かれていのは実際にそういう名前の昆虫で、私もこの作品で知ってから調べ、初めてその生態を知りました。
 オトシブミのメスは、初夏の頃に若葉を巻いてその中に卵を産み落とすそうです。そこで生まれた幼虫はこの葉を食べながら育ち、ここで蛹となり羽化するとのこと。
 結城さんは作品のコメントに「未来に託すメッセージを込めて!」と寄せています。シンプルにそしてどこかユーモアの感じられるこの作品は、まさに作者が未来に向けて放つメッセージともなっているようです。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース
  
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September 04, 2018

便り:ふるさとから!!

便り:ふるさとから!!石川 孝 作 242×272mm

 様々な物を繊細なタッチで描く石川さんは、今回のテーマで実際に存在するポストの絵を2枚寄せて下さいました。
 「便り:ふるさとから!!」は、こけしをかたどった鳴子のポスト、そして「便り:ふるさとへ!!」は列車をモチーフにしたポストで、品川駅にあるそうです。それぞれに背景も描いてみたものの、ポストだけを画面に入れた方がよりテーマが伝わるということで、シンプルに画面の真ん中に配置してあります。
 それぞれに素朴な和紙や明るいピンクの背景を使い、雰囲気を作り上げているのが素敵。実際にこうしたポストを見に行きたくなりますね。テーマに合った素材を見つけ出してくる…それは作品制作の上でとても重要な工程だと思います。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース)  
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September 01, 2018

便り

便り南舘 千晶 作 350×245mm

 1本の木の下に佇む懐かしい形のポスト。その蕎麦には郵便屋さんの赤い自転車が停められています。
 南館さんのコメント。「家の近所に、まだ現役の丸形のポストがあって、それを見ると、昔々、何人かのペンフレンドと文通していた事を思い出します。ポストに手紙を投函した瞬間からもう返事が来る日が楽しみになるのでした。今はもうすっかり手紙も書かなくなって、昔の友達ともご無沙汰です。」
 スマホひとつで即時に連絡が取れる現在からすると、ゆったりとした時の流れを感じるようなポストと郵便物。作者の思いを綴った、温かみのある作品です。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース)  
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