May 19, 2019

越中万葉の風 〜花〜

越中万葉の風 〜花〜菅谷 順啓 作 242×272mm

物部(もののふ)の 八十少女(やそおとめ)らが 汲みまがふ 寺井(てらい)の上の 堅香子(かたかご)の花
物部の多くの少女たちが入り乱れて水を汲む、その寺井のほとりの堅香子の花よ。
大伴家持
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

 この歌も万葉集の編者、大伴の家持が越中国に滞在した時に詠まれた歌です。カタクリの花はそう大きくありませんが、密集して沢山咲くと本当に綺麗です。そんな楚々とした花々をできる限りシンプルなラインで描いたこの作品。カタクリの花々がひっそりと語り交わしているようにも見えます。
 背景には紫がかったグレーと白のグラデーションが入った雲竜紙を用い、紙の繊維と色合いが花々を引き立てています。美しく品のある小品です。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  

Posted by sengaart at 23:07Comments(0)

May 16, 2019

秋の七草

秋の七草日野 晴美 作 420×297mm

秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
秋の野に咲いている花を指を折って数えると次の七種類の花が美しい。
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

 万葉集には恋の歌や別れの歌が多く詠まれていますが、古人の想いをそのまま絵にするのは難しいもの。そこでどんな絵を描いたら良いか迷っている作家さんには、万葉の花を探してみることをおすすめしました。が、万葉集の歌の中に詠まれている花は野の花で、小さなものが多いのです。日野さんが選んだ秋の七草も、かなり繊細な植物です。
 描かれている草花は、萩、すすき、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、朝顔…。その一つ一つを丁寧に描写し、色和紙で彩色してあります。奥ゆかしく優美な秋の七草をお楽しみ下さい。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:15Comments(0)

May 13, 2019

NIPPON

NIPPON結城 公子 作 415×305mm

 今回の作品展の出展作品では、それぞれの作家が万葉集の中から句を選んで、その句についての作品を制作しています。が、結城さんのこの作品だけは特定の句を元に描かれたものではありません。万葉集の中に出てくる花を、来年のオリンピックにちなんで五輪の輪の中にレイアウトしたものです。
 描かれている花は、ももよぐさ(野路菊)おみなえし(女郎花)おもいぐさ(南蛮煙管)からあい(鶏頭)しののめぐさ(朝顔)おかととき(桔梗)ひかりぐさ(姫百合)はなな(菜の花)あせび(馬酔木)。どの花も野の花らしく、慎ましく、愛らしい花々です。
 デザイン的に配置されている万葉の美しい花々をお楽しみいただければ…と思います。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 21:28Comments(0)

May 12, 2019

常夏

常夏神田 いずみ 作 280×200mm

立山(たちやま)に 降り置ける雪を 常夏(とこなつ)に 見れども飽かず 神(かむ)からならし
立山に降り積もった雪を夏中見ていても飽きない。神山の名にそむかないことよ。
大伴家持
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

万葉集の編者である大伴家持は越中国(富山県)の国守として5年間赴任していました。家持はここで立山や海岸、寺社など沢山の句を詠んでいます。富山県出身の神田さんは、万葉集の中から家持が富山で詠んだ句を選び、そのワンシーンを剪画にしました。
 夏でも頂に雪を残した立山、そして古来から神の使いとしてみなされていた雷鳥。鮮やかな水色と白、そして黒い和紙を使ってキリリと描いています。時を超えて息づく自然の息吹を感じる力強い作品です。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 21:50Comments(0)

May 09, 2019

蓮(はちす)

蓮(はちす)青山 政枝 作 342×418mm

ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(はちすは)に 渟(たま)れる水の 玉に似たる見む
ひさかたの雨も降ってくれないか。蓮の葉に溜まった水の、玉に似たのも見よう。
作者不明

 この当時、蓮は花を楽しむだけでなく、葉を食物を盛るための器としても使用されていたそうです。
 落ち着いた色合いの和紙を組み合わせて彩色した美しい蓮の花。大きな葉や可憐な花びら、そして背景の水と空にはむら染めの和紙を利用しています。特に背景の和紙の下側には、穴の開いた落水を重ねて貼ることによって、揺らぐ水面を装飾的に表現。和紙の風合いを活かした作品となりました。
 絵の中にさり気なく描かれているカエルやトンボは、画面の中に静かに佇んでいる蓮の花に小さなアクセントを与えています。小さな部分ではありますが、これによって万葉の生命を感じる絵となりました。
 古風ながらどこか現代的な佇まいの蓮の花。添えられた句と共にお楽しみいただければ幸いです。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 22:41Comments(0)

April 05, 2019

芝桜の丘

芝桜の丘日野 晴美 作 445×330mm

 色をテーマにした作品展は何度か開催していますが、今回「Pink」をタイトルにするかどうか、少し迷いました。ピンクという響きが良い意味ばかりではないような気がして…。それでもピンクを他の色に置き換えることは不可能でした。ピンクは桃色でも桜色でも薄紅色でもなく、それらをすべて含んだ色だからです。
 日野さんのこの作品では、様々なピンク色が使われています。ごく薄いピンク、派手なピンク、灰色の入った渋めのピンク、サーモンピンク、紫に近いピンク…。それぞれの色合いが春の甘やかな雰囲気と、艶やかな光景を描き出しています。
 芝桜の咲き誇る美しい丘。春と共に様々なピンクをお楽しみいただければ幸いです。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:50Comments(0)

April 03, 2019

桃花の節

桃花の節南舘 千晶 作 210×297mm

 可愛らしいピンクのお雛様。ご紹介する画像は背景の花々とお雛様を重ねてスキャンしたものですが、実際には箱額の中に飾られています。薄いピンクの花々は箱の奥の部分に、お雛様は2cmほど手前の透明のアクリル面に貼り付けられ、少し立体的に見えます。
 お雛様については南館さんのコメントに説明されていますので、そのまま記載させていただきます。「今のカレンダーの3月3日では桃の花にはまだ早いですが、地方によっては『ひなまつり』を旧暦で行うところが今でもあるようです。今年の旧暦3月3日は4月7日、桃の花もぼちぼち咲き始める頃でしょうか。立ち雛は座り雛より歴史が古い、という事もあってお雛様たちの立ち位置も、左上位という古来のものにしてみました。」
 全体にバランスのとれた、美しく、テーマの「Pink」にふさわしい作品です。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:03Comments(0)

April 01, 2019

こぶたびより

こぶたびよりまるぽ 作 148×148mm

 子育て中のまるぽさん、大きな作品を作っている時間はないものの、夜子どもたちが寝静まったあと、小さな作品を作ることは…なんとかできるそうです。
 そうして作られたのがこの2点。ちょっとやんちゃではありますが、元気に遊ぶ子どもたちと、母親のもとでエネルギー補充中の親子ブタの姿。本当に見ていて微笑ましい作品です。テーマのピンクはブタさんたちの色であり、また春の桜や地面の色でもあります。元気を表す色、活気に満ちた色…。
 活気にあふれるピンクを、この作品で感じていただければ幸いです。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 22:25Comments(0)

March 29, 2019

ピンクパンサー

ピンクパンサー高橋 隆 作 223×300mm

 このパンサー、どこかで見た感じがする方は…2年前の春に剪画アート&スペースでの「きいろ」展に来てくださった方ではないかと思います。その時は「イエロー・パンサー」でした。
 同じ図柄のパンサーですが、色を変えているだけではなく、前回正方形だった画面を少し細くし、サイズを絞っています。そのため、全体にじっと何かを見つめているパンサーの表情が強調されています。
 同じパンサーでも色合いによってずいぶん雰囲気が変わります。ピンクになったパンサーは、イエローよりも現実離れをしている分、色味に注目が集まります。ピンク・パンサーという呼び名に懐かしさを感じる方、是非実物の作品を見てご感想を聞かせて下さい。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:12Comments(0)

March 26, 2019

映える

映える石川 孝 作 408×286mm

 霞ヶ浦の湖畔に咲く桜でしょうか。ちょう夕暮れ時で空の色はピンクに…。一方暮れゆく空と水の色が夕焼けの色を引き締めています。
 石川さんは黒い和紙をカッティングした後、背景の和紙を探しにいらして、様々なグラデーションの和紙を試していました。真っ赤な夕焼け空も魅力的でしたが、半透明のピンクのグラデーションの雲竜紙の背後に水色のグラデーションの和紙を置いたところ、水の色と暗くなってゆく空の色がとても良い感じに表現されました。雲竜紙の質感も、独特の雰囲気を演出しています。
 使う和紙によって、様々な表現が可能になる剪画。和紙をうまく活かした作品だと思います。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 21:54Comments(0)

March 25, 2019

桜草の首飾り

桜草の首飾り菅谷 順啓 作 230×250mm

 桜と富士山は絵画にも描かれる定番の風景ですが、芝桜や桜草もまた、この時期に画題となる風景です。白い雪を抱いた青みがかった富士山は、ピンク色によく映えます。
 菅谷さんの絵では、桜草の色を抑えめにして、富士山も青みよりも紫がかった色味に描いています。また、桜草の茎や葉には緑色を使わずに黒い和紙の色をそのまま活かしました。そのため、やわらかい感じのピンク色が引き立って、全体にふんわりとした優しい雰囲気に仕上がっています。
 今日の水元公園の桜は1分咲きで、満開の桜まではもう少し時間がかかりそう…。週末あたりはだいぶ開くことと思います。是非お散歩にいらして下さい。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 21:48Comments(0)

March 02, 2019

つらつら椿

つらつら椿南舘 千晶 作 420×594mm

 つらつら椿は、万葉集の中に出てくる言葉で、連なって咲く椿の意味があるそうです。
 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を (坂門人足)

 万葉集と直接関係あるシーンではないと思いますが、あたり一面に咲き誇る椿の花と、その中に佇むちょっと神秘的な感じのする和服の少女。とても印象的な作品です。
 複雑な色合いに見えるこの作品ですが、実際は黒と赤にムラ染めされた1枚の和紙をカット。その強い陰影が、不思議な雰囲気を演出し、不思議な世界を完成させました。この1枚だけで、背後にある物語を見る側に想像させてくれます。
 背景には少しシワのある素材感ある和紙を配置。ムラ染の和紙と合わせて紙の質感を最大限に活用した作品だと思います。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
Posted by sengaart at 23:54Comments(0)

March 01, 2019

庭先で

庭先で日野 晴美 作 320×410mm

 庭先で遊ぶスズメたちと庭の樹々、花々を描いた作品です。様々な色合いの和紙を切って何重にも重ねることによって、向こうから射している光をうまく表現しました。淡い色合いの和紙から濃い色の和紙、そして黒和紙…。丹念に切り抜き、貼り合わせる作業にはそれなりの時間がかかったことでしょう。
 また、クチバシや羽の広げ方など、本当に良くスズメを観察して描いていると思います。スズメたちの動きが、画面の中に生き生きとした生命感を吹き込んでいるようです。
 和紙の美しさを活かした繊細な作品を、是非近くでご鑑賞ください。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
Posted by sengaart at 21:40Comments(0)

February 25, 2019

夢幻

夢幻仲島 あい 作 300×420mm

 仲島さんがSenga Feminaに出展するために制作したのがこの作品です。可愛らしいコスチュームに身を包んだキャラクターが夢の国に人々を誘っている図でしょうか?
 仲島さんが描くキャラクターは、アウトラインも色合いも、アニメやマンガのようにクリアではっきりとしています。それだけに背景によってはとても現実的な雰囲気になると想うのですが、ムラ染めの和紙を使用することによって、ちょっと不思議な世界が描き出されました。色のにじみと柔らかな広がりと…。
 くっきりとした輪郭線と和紙の優しい色合いを組み合わせて、独特の世界を演出した作品です。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
Posted by sengaart at 22:51Comments(0)

February 22, 2019

ガーデン

ガーデン青山 政枝 作 530×715mm

 来月4日から開催される「Senga Femina 2019」に展示する作品をいくつかご紹介させて頂きます。この作品展には16名の女性作家が出展。会場となる「ギャラリー暁」は剪画アート&スペースよりも広いので、各作家さんはより大きな作品を制作、展示します。
 青山さんのこの「ガーデン」も、広い面積に1つ1つ丁寧に花を配置するいことによってゴージャス感を演出。こうした花々の配置は、バランスがとても大切ですが、小さい花びらを薄い色合いで後方に配置し、鮮やかなメインの花をうまく引き立たせました。
 また、蝶を描きこむことによって、絵の中に動きを出しています。華やかで優しい色合い。青山さんらしい素敵な作品です。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
Posted by sengaart at 21:58Comments(0)

December 06, 2018

幸運を呼び寄せる干支飾り〜亥〜

幸運を呼び寄せる干支飾り〜亥〜岡田 桂子 作 350×260mm

 岡田さんは次の年のラッキーカラーを調べ、干支の絵に使い、玄関に飾っています。来年のラッキーカラーは金と白だとのこと。
 まるまるとした猪がウリ坊といっしょに走っている姿を、金色を散らした白い和紙に貼りました。それだけでは少し寂しいので、走っている時に感じる風を、お正月らしい赤と緑で表現。作品は、躍動感がある華やかな絵柄に仕上がりました。
 絵の中にある赤い縁取りをした「亥」の文字は、ご自身が筆で描いたもの。岡田さんにとって、来年も素敵な年になりそうですね。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
Posted by sengaart at 23:24Comments(0)

December 03, 2018

干支 いのしし

干支 いのしし青山 政枝 作 242×272mm

 剪画アート&スペースでは作品の絵葉書を販売しています。干支展はご来廊の方が年賀状の絵を参考にしたり、そのまま年賀状として使って頂くためにご購入くださる方も多いです。
 そんな中で、毎年「福」の文字を入れて干支作品を作ってくださる青山さんの作品の絵葉書は、とても人気があります。優しげな親猪とにこやかな子猪の表情に、「かわいい〜!」声を上げた方も…。
 切り絵らしく黒をしっかりと使いながらも、赤、金、緑とお正月カラーを使い華やかに仕上げているのも魅力。新しい年を寿ぐのにふさわしい素敵な作品だと思います。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
Posted by sengaart at 23:27Comments(0)

December 01, 2018

4羽の子豚

4羽の子豚神田 いずみ 作 245×185mm

 日本では来年亥年ですが、中国始めその周辺地域には亥年はなく、豚年となるそうです。そのため今回のタイトルに豚を加えたのですが、搬入締切になっても豚を描いた作品は集まりませんでした。それを聞いた神田さんが急いで作ってくれたのがこの作品です。
 神田さんは美しい作品やストーリー性のある作品も作りますが、クスッと笑わせてくれるようなユーモアあふれる作品が秀逸です。美しく優雅な4羽の白鳥を、ふっくらとしたピンクの豚さんたちに踊らせるあたりは神田さんらしいく、楽しい演出だと思います。
 中国では豊穣と豊かさを意味するという豚さんたち。来るべき年にあやかりたいですね。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:34Comments(0)

November 29, 2018

頑張るぞ!

頑張るぞ!結城 公子 作 100×148mm

 結城さんは今回の作品展にはがき作品を3点出展して下さいました。そのうちの2点は、縦型で、彼女自身のメッセージが書かれています。
 絵柄は極限的までシンプルに描かれ、それでいて力強く魅力的。この「頑張るぞ!」に描かれた猪さんは、天にむかって飛び上がっているようにも見え、躍動感があります。
 剪画を制作しているとだんだん細部にこだわるようになり、複雑な絵柄を描くようになります。もちろん繊細で手の込んだ技工は剪画の魅力のひとつですが、シンプルでありながら訴求力のある作品は、また一味違った魅力があるのです。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
Posted by sengaart at 21:59Comments(0)

November 26, 2018

三匹のウリボー イチゴ

三匹のウリボー イチゴまるぽ 作 100×148mm

 この「三匹のウリボー」シリーズは、カレンダーに入れる6つの絵を描いたものです。それぞれにレンコン・イチゴ・アスパラ・スイカ・サツマイモ・カキと共に、3匹のウリボー兄弟が遊んでいる様子が描かれ、とてもキュートです。
 はがきサイズの作品ですが、細かいところまで色をいれてキチッと仕上げています。そして背景には和紙らしい風合いを活かした耳付きの落水紙を使用し、やさしい風合いを出しました。
 温かい目で見守る、イキイキとしたわんぱくっ子たち。子育て中のまるぽさんならではの、素敵な作品です。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 22:06Comments(0)

November 22, 2018

山よりでっかい猪は出ん

山よりでっかい猪は出ん菅谷 順啓 作 227×487mm

 猪がいくら大きくても、それ自体が住まう山より大きいことはない…。入れ物より中身が大きいことはないという意味に使われたり、大きな仕事を前に緊張をほぐす時に使われる言葉だそうです。
 お正月らしく、明るい色合いが使われている干支の作品の中にあって、この作品は、色合いも線の表現もとてもシンプルです。山は太くシンプルなラインで表現され、使われている色も茶色と黒。ふっくらと描かれた文字もすっきりと読みやすく配置されています。
 猪の姿はちょっと古式で木版画でプリントされたような雰囲気。派手ではありませんが、どっしりとした貫禄のある作品です。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:57Comments(0)

November 20, 2018

赤の時

赤の時六郷 もと 作 275×395mm

 朝日が昇る時…か地平線の無効に沈む時、家族で静かなこのひとときを楽しむ猪たちの姿。美しい赤いグラデーションの色合いと山並みの姿がぴったりと合った、幻想的な作品です。
 実はこの作品は「青の時」と対になっています。左右が反転した青の作品は、雪が降っているかのような静寂を感じさせる風景。同じ絵柄ながら、全く違った世界が広がっているのです。
 両方共、猪の姿を克明に描いた作品ではありませんが、その家族が睦み合う世界を描いた素敵な作品となっています。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 23:50Comments(0)

November 19, 2018

ねぶた 金毘羅大権現

ねぶた 金毘羅大権現高橋 隆 作 830×265mm

 青森のねぶたに表現される猪を描いた作品です。海上の守護神として古くから漁師たちから信仰を集めていた金毘羅権現は、薬師十二神将のうちの亥の神でもあるそうです。このねぶたは、分身である黄金色の猪と共に海上に現れ、荒波を沈めた…という場面を描いています。
 高橋さんはねぶたの光に照らし出されている姿を描くため、ごく薄い和紙を部分的に重ね、猪の濃淡を出しました。実際のねぶたでは白い和紙が使われているところは、赤に変えて全体の力強さを演出しています。主役の猪が前にせり出しているような構図もとても迫力があります。
 鮮やかで力強いねぶたの猪、是非実物を御覧ください。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
Posted by sengaart at 23:45Comments(0)

November 16, 2018

亥 #1

亥 #1南舘 千晶 作 205×300mm

 花札のデザインをお正月用にアレンジした作品です。実際の猪の札は7月で萩と共に描かれていますが、この絵の中には梅や松、日の出などが取り込まれ、お正月らしい雰囲気が演出されています。
 作品には赤系の色が多く使われていますが、新年らしい真っ赤な色ではなく、えび茶色に近い赤や、落ち着いたピンク、薄い茶色など渋めの色をバランスよく配置。南館さんらしいセンスの良さを感じさせてくれます。
 猪の柄には細かいタッチを用い、雲や梅の花には安定して美しい線をカッティング。隅々まで配慮の行き届いた秀作だと思います。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース)  
Posted by sengaart at 22:29Comments(0)

November 15, 2018

猪の目に福

猪の目に福猪の目に福

日野 晴美 作 270×326mm

 竹の装飾を背後に猪が走っている姿を描いた作品。
 この装飾については作者の日野さんが説明しているので、引用します。「可愛いハートの形ではありますがハートではありません。猪の目(いのめ)=イノシシの目に似ている所からという一説=というもので神社やお寺のいろいろな所の装飾に施されている形です。水を守護するイノシシの目という事で火除けのお守り そして獣の目力には魔除け 厄除けの意味があるとか…。福を招く護符の意味合いもあるそうで そういえば鈴の穴の部分にもこの形を見る事があります。」
 色合いも美しく、新年を寿ぐにふさわしい作品だと思います。

(「干支 亥+豚」出展作品 2018. 11.14〜12.8 於:剪画アート&スペース
  
Posted by sengaart at 23:00Comments(0)