December 07, 2019

今年の剪画展は終了

今年の剪画展は終了 今年最後の剪画展「干支と縁起物 2020子」は本日無事に終了いたしました。最終日の今日は冷たい雨が降り、本当に寒い日だったのですが、たくさんのお客様がお越しくださいました。
 干支展は毎年多くのご来廊者があります。今回は新聞のイベント欄に掲載された記事を見たり、お友達に勧められて初めて訪れて下さった方も…。また、久しぶりにギャラリーにお立ち寄り頂いた方とのお話もはずみました。ギャラリーの展示だけでなく、教室にも興味を持って下さった方もいらっしゃいました。
 今年は本当に様々な場所で剪画作品を展示して頂きました。その度に多くの方に応援頂き、そのご縁に心から感謝しています。今年の活動で見つけた課題を少しずつ整理しながら、また新たな年の計画を立てたいと考えています。
 ご出展下さった皆様、そしてご来廊下さった皆様、本当にありがとうございました。  

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December 04, 2019

六瓢息災

六瓢息災菅谷 順啓 作 242×272mm

 色紙サイズの作品です。ネズミさんが登っているのは、金色の瓢箪。よくみると脇に小さな瓢箪が5つ付いていて、合わせて6つの瓢箪から六瓢息災…無病息災をもじっています。
 つぶらな瞳で可愛らしいネズミさんたちは親子でしょうか?それとも夫婦でしょうか?二匹揃って元気に過ごしていきたいという希望を込めた作品なのでしょう。仲が良さそうな二匹の様子は心温まるものがあります。
 繊細な作品を制作する菅谷さんですが、この作品は太く柔らかい線を組み合わせ、できる限りシンプルに。そのため全体に穏やかな柔らかさと福々しい感じが出ました。色も控えめにして、ネズミさんたちの白さを引き立てています。
 新しい年が健康で豊かな年になりますように。  
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December 02, 2019

ひやく

ひやく結城 公子 作 100×148mm

 いつもシンプルでクールな絵柄で干支展を飾ってくださる結城さんの作品です。
 年賀状サイズの小さな画面。ヒゲの位置からすると、ネズミさんが上の「ひやく」という文字を眺めているようです。そして円形にならんだその形は、オリンピックのロゴを形をしていました。その色合いはオリンピックの色よりも少し柔らかい色彩で、ほのぼのとした感じ。ネズミさんたちがゴソゴソと動きながゲームを観戦しているかのようにも見えます。
 一見わかりにくいけれど、オリンピックの年ならではのデザイン。こんな年賀状を頂いたら、とても良い年になりそうな気がしますね。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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December 01, 2019

永永繁栄

永永繁栄日野 晴美 作 320×415mm

 この作品に関しては日野さんが長いコメントを書いてくれているので、そのまま掲載させて頂きます。
  『子年の「子」は調べてみると、なんと象形で子どもの頭髪がどんどん伸びるさまを示したもの…また「子」の文字には ふえる、繁殖の意味(漢字源調べ)があり、子年は繁栄の年だそうです。そして独楽は 一本芯が通っている事から、筋を通す、想いを貫くとされ、クルクル回ることから 頭が回る、お金が回る、仕事がうまく回るなどと言われる縁起物です。
 今年は未曾有の天災により各地で甚大な被害が発生してしまいました。大変な被害に遭われた方々の健康と平穏な日常を一日も早く取り戻されますようお祈り致します。
 2020年は「令和」初めてのお正月であり 十二支の最初の年 ということで心機一転、末永い繁栄を願い 人生うまく回りますように…。』
 来年の干支であるネズミを白く、上品に描き、縁起物の鏡餅と独楽と共に描きました。そして背景には青いグラデーションの紙。その紙の背後にピンクの紙を敷くことで、白地にもほのかにピンクが写っています。和紙の色合いを活かしてお正月らしい作品に仕上げた素敵な作品です。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 29, 2019

2020年東京オリンピック子年

2020年東京オリンピック子年戸張 禮子 作 240×175mm

 今までご紹介した何点かの作品もそうですが、この作品はA3のカレンダー台紙に貼り付けて1年飾るために制作したものです。2020年は東京オリンピックの年。それを記念すべくオリンピックとパラリンピックのロゴを入れています。
 中心に置いてあるのは、松竹梅をあしらったネズミの置物。ふっくらとしたネズミさんはオリンピックの輪を見上げているようにも見えます。置物やロゴの形がきっかりと正しいことよりも、来る年のオリンピックへの期待が込められていることが大切。画面全体に心躍る思いが表現されています。
 新しい年。皆さんはどんな思いで迎えられるでしょうか?

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 26, 2019

ねずみの置物

ねずみの置物臼木 冨美子 作 240×175mm

 臼木さんはいつも絵を描くための作品展のタイトルを聞いた後、家の中を眺めて身近なところでテーマに合うものを探します。今回の干支展では、ネズミの置物を見つけたそうです。
 シンプルなフォルムのながら親子で向き合う姿が愛らしいネズミさんたち。その評定も素朴な感じです。そして、お正月の飾りらしく松竹梅の柄を身にまとっています。
 ネズミの人形を大きく描きすぎてしまうと可愛らしく見えないので、左の前に小さめに置き、寿の文字を入れた金屏風を配し、さらに元号の令和を入れました。それぞれのラインは少しぎこちないところがありますが、全体のバランスが良いので、落ち着きのある絵柄となりました。
 常に自分の身近からモチーフを見つける…というのも、ご自身を表現する一つの方法だと思います。制作した作品を一連のプロジェクトとして見るとなかなかおもしろいですね。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 25, 2019

打ち出の小槌

打ち出の小槌奥 泰常 作 240×175mm

 小さなネズミさんと大きめの打ち出の小槌。それを見上げているネズミの姿は驚いているようにも見えます。絵本の中の1シーンを思わせるちょっとおもしろい構図です。
 干支の子は、その姿が小さいせいかよく他のものと組み合わせて描かれます。俵や鏡餅、宝船…中でもよく一緒に描かれるのはこの打ち出の小槌でしょう。縁起物らしくカラフルな小槌、この絵の中では令和にちなんで梅の花が描かれています。
 何かを語り合っているようなネズミさんと打ち出の小槌。周囲の空間が広い分、落款のように赤で切り抜いた「子」の文字が効いています。空間を活かしたキュートな作品だと思います。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 22, 2019

子年に乾杯

子年に乾杯坂上 裕子 作 175×240mm

 干支のネズミは、可愛らしく描くだけでなく、少し擬人化して描くことも可能です。世界的に有名なキャラクターミッキーマウスもそうしたキャラクターですね。
 坂上さんは、新年らしく新しい年をお祝いしている2匹のネズミを描いています。綱の上でカラフルなボールに乗りながら乾杯するネズミさんたち。ボールをカラフルに彩色したり、ネズミを正装させたり…その姿には華やぎと動きを感じます。
 一度は黄色の台紙の上にキャラクターを貼り付けようとしたそうですが、少し全体が軽くなってしまうため、背後に黄土色の紙を配置しました。少し渋めの色味が、かえってそれがネズミさんたちの表情を引き立てています。
 坂上さんらしい、生き生きとした作品です。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 20, 2019

福ねずみ

福ねずみ外山 豊子 作 240×175mm

 来年の干支ネズミは、実際にはあまりお目にかかりたくない動物です。が、干支としてはその繁殖力から子孫繁栄を象徴する動物でもあります。
 この干支子を描く時は、伝統的に俵や打ち出の小槌などの福を象徴するものと共に描くことが多かったようです。現代では、ミッキーマウスやハムスターなどキャラクター化したり可愛らしく描く方が多いような気がします。
 そのコスチューム、イースターの卵のような装飾的な持ち物…本当にキュートに描かれたネズミさんです。色数をたくさん使いながらどの色もちょっと渋めに抑え、大人っぽさを演出しました。
 小品ながら、独特の世界観を持った素敵な作品です。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 19, 2019

ハリネズミと366日

ハリネズミと366日まるぽ 作 110×160mm✕6枚

 1年の季節を追って制作された6枚の連作です。それぞれのタイトルは「温泉のハリネズミ」「チューリップとテントウムシとハリネズミ」「あじさいとハリネズミ」「花火とハリネズミ」「くりとハリネズミ」「リースとハリネズミ」。どの作品もハリネズミが過ごす季節が生き生きと描かれています。
 まるぽさんは子育て中なので、大きな作品を作ることができません。それでもスキマ時間をうまく使って、小さな作品を制作しました。
 この主役のハリネズミは子どもたちが大好きなぬいぐるみだそうです。しかも温泉、花火、とうもろこし、栗など子どもたちの大好きなアイテムを季節の風物詩としていっしょに描いています。1枚描く毎に、子どもたちが大喜びしていたそうです。そのため、制作するのが本当に楽しかったとのこと。そうした楽しさが画面から溢れ出ています。
 これらの絵をカレンダー台紙に貼り付けた複製画も販売しています。ギャラリーで是非手にとって見て下さい。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 15, 2019

子 -青海波-

子  -青海波-南舘 千晶 作 420×300mm

 扇形の中に日本伝統の模様青海波。そしてその中心にはご挨拶しているネズミさんがいます。シンプルなラインで描かれたこのネズミさん、ニッコリと笑ったその表情といい、小さな手をきちんと前につけているポーズといい、本当に可愛らしく描かれていて、思わず吹き出してしまいます。
 この作品には1枚の朱色の和紙を使っていますが、上からアクリル絵の具で金色をまだらに塗り、綺羅びやかさを演出しています。そして台紙に使用したのは耳付きで生成りの手漉き和紙。そのため白い台紙に貼るよりも作品に柔らかさと温もりが出ました。
 全体にバランスが取れた美しく楽しい作品です。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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November 14, 2019

干支 福ねずみ

191114青山 政枝 作 242×272mm

 毎年の干支をおめでたい福という文字とともにアレンジして、色紙作品を制作する青山さん。今年も可愛らしいネズミを描いてくれました。楽しそうに手まりを持ち上げるネズミの親子は、ピンクと水色の淡い色合いですが、手まりは赤・緑・ピンクとカラフルで、全体にバランスのとれた色合いです。金色の丸い枠の色紙も、華やかにお正月らしさを引き立てています。
 ネズミの胴体や手まりには千代紙を使用。作品に柄の入った千代紙を使うと、ともすれば全体がバラバラな印象になってしまうことがあるのですが、お正月という日本の伝統的な祝祭の演出にはとても効果的だと思います。
 本当に福を呼びそうな艶やかなネズミさんたち。新年をお祝いするのにふさわしい作品です。

(「干支と縁起物 2020子」出展作品 2019. 11.13〜12.7 於:剪画アート&スペース)  
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October 24, 2019

transformation - 変換 -

transformation - 変換 -小野寺 マヤノ 作 480×388mm

 阿波の藍染の和紙、5枚目を使ってこの作品を作らせて頂きました。蓼科の藍の葉から実際に布や和紙を染めるまでには、多くの時間と手順がかかります。
 藍の葉を乾燥させ、発酵させてすくもを作り、藍瓶の中で藍を建て、その中に布や和紙を浸した後、空気に晒して酸化させることによって青く発色させます。藍植物に含まれる成分を加水分解し、酸化させるという工程の繰り返し…。そんな藍の葉と、発酵の様子をイメージして制作した作品です。
 深く染められた藍色の和紙、浅く染まった水色の和紙、それに竹の繊維を含んだ黄色味を帯びた和紙を組み合わせて全体の色味を少し柔らかめに表現しました。
 時間をかけて行われる準備、化学的な変換、そして変容。この長い工程に、人が転機を迎えて変わってゆく時の様子を見るような気がしています。

(「青は藍より出でて藍より青し」出展作品 2019. 10.9〜10.26 於:剪画アート&スペース)  
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October 17, 2019

華唐草

華唐草南舘 千晶 作 480×390mm

 藍染の和紙に一番大胆にナイフの刃を入れたのが南館さんです。牡丹と唐草を画面全体に配置し、ところどころに花喰い鳥をあしらいました。唐草や花喰い鳥の長い尾は、南館さんらしい流れるような曲線で描かれています。
 基本的に一枚の紙を切り出しているため、落ち着いた藍色の上に金箔を散らし、華やかな雰囲気を演出。写真ではわかりにくいのですが、背後に配した白い和紙も、皺が入っていて立体感あるものです。
 藍色の紙で描かれた優美な華唐草。味わい深い作品です。

(「青は藍より出でて藍より青し」出展作品 2019. 10.9〜10.26 於:剪画アート&スペース
  
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October 16, 2019

藍とオオルリ(蓼藍)・藍とオオルリ(木藍)

藍とオオルリ(蓼藍)日野 晴美 作 485×328mm

 日本の藍染に使う草は蓼科の植物。徳島で染められた藍の和紙に日野さんが描いたのが、細長い葉に小さな花を付けている蓼科の藍です。
 一方、インドやインドネシアで使う藍は、マメ科の植物なのだそうです。もう一枚の作品の紙は友人がインドネシアで染めてきてくれた和紙。もともと布を染める工房で染めたため、和紙には皺が入ってしまい、色むらも出ています。が、それが良い風情にもなっているので、日野さんはこの和紙を使ってマメ科の藍の植物を描きました。
 どちらも背景の藍色が、緑の葉と青いオオルリと好対照となって深い趣を醸し出しています。藍という植物から生まれる色の力と魅力を十分にを感じさせてくれる作品です。

(「青は藍より出でて藍より青し」出展作品 2019. 10.9〜10.26 於:剪画アート&スペース)  
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October 11, 2019

愛は愛より出でて愛より愛し

愛は愛より出でて愛より愛し菅谷 順啓 作 325×480mm

 菅谷さんが藍染めの和紙を使って制作したのがこの作品です。背景に藍色の和紙を使い、その上に黒い和紙を切り抜いた輪郭と、ムラ染で薄く染めた和紙をあしらっています。そしてそれらの中心に位置しているのは、合掌する白い手。落ち着いた藍の色合いの中で、浮き出ているかのようです。
 菅谷さんらしくどのラインもスッキリとして優美。よどみない線が黒、藍、水色、白、それぞれの色の和紙を違和感なく調和させています。
 愛を藍に託して描いた菅谷作品、その美しい色合いと形を、是非オリジナルを見て楽しんで下さい。

(「青は藍より出でて藍より青し」出展作品 2019. 10.9〜10.26 於:剪画アート&スペース)  
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October 10, 2019

怪物は人より出づ

怪物は人より出づ吉田 健嗣 作 490×390mm

 藍染の阿波和紙と因州和紙を使って制作された作品です。藍染の和紙を台紙として、素材感のある薄い和紙を重ねることで2段階の濃さを作りだし、それによって陰影のある手の形を描いています。輪郭線で描く剪画が多い中で、2つの濃淡が生み出す面で存在感をとらえたこの作品は、立体的に浮かび上がるように見えます。
 この作品が制作された意図については、作者本人がコメントを入れていますので、参考にしていただければ…と思います。
 「今回の作品は小説『フランケンシュタイン』(メアリー・シェリー作/1818年)と戯曲『R.U.R』(カレル・チャペック作/1920年)から着想を得ました。どちらも、創造主(人間)によって造られた被造物(怪物/ロボット)が創造主を脅かす存在になってしまう物語です。
 『フランケンシュタイン』では科学者フランケンシュタインと怪物は破滅的な結末を迎えますが、一方『R.U.R』では、世界最後の人間となった老人が、ロボットに「愛」と「生命」を見出し、祝福と希望を持って送り出します。
 人間が創造し生み出したものは、それ自体は無垢なものですが、生まれた理由や育つプロセスなど、我々人間や環境(社会)次第ではそれが怪物にも希望にもなりうる事を示唆してくれています。」

(「青は藍より出でて藍より青し」出展作品 2019. 10.9〜10.26 於:剪画アート&スペース)  
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September 03, 2019

やどかり

やどかり高橋 隆  作 186×435mm

 巻き貝の中に生息し、その体の成長と共に住まいを変えるヤドカリ。家を背負って歩く…という意味でも、時折をの住まいを変える…ということからも、住み家との関係が特殊な生き物であるといえるでしょう。この作品を見ながら、ヤドカリが好きとか、ヤドカリを買っていた…というお話をして下さる方が意外に多いのにも驚きました。
 この絵の中では、様々な大きさのヤドカリたちが、思い思いの貝殻を背負って描かれています。薄く滲んだ青い空と海の間でヒョコヒョコと歩く様子が目に見えるようです。その姿は何となくユーモラスでもあります。
 高橋さんはこの他にもカタツムリ、ミツバチ、アカゲラなど様々な生き物と住まいを描いてくれました。ヤドカリの姿と共に、剪画で描かれた生き物とその住み家をお楽しみいただけたら…と思います。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)  
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September 02, 2019

House of Pandas

House of Pandas南舘 千晶 作 297×210mm

 パンダ好きの南館さんが、飼育員1日体験ツアーで中国の四川省に旅行した時を思い出して描いた作品。パンダがたくさん集まっている姿は、確かにパンダの家を意識させてくれる心温まるシーンです。
 写真ではわかりにくいと思いますが、パンダたちの毛並みは本当に細かくカットされています。さらに木の素材感を出すために、材木部分にも繊細なカットを施しています。反対に影の部分は大きく黒い部分を残し、全体にうまく陰影を持たせました。このあたりのバランス館は南館さんならではだと思います。
 パンダの影の部分や背景の緑は薄い和紙をちぎって彩色。キリリとナイフで切り抜いた部分とぼかしの色が入ったバックグラウンドは好対照をなしています。
 House of Pandas…可愛らしく、存在感のある作品です。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース)  
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August 29, 2019

芸術的なスズメバチの巣

芸術的なスズメバチの巣 hspace=戸張 禮子 作 297×210mm

 戸張さんは、テレビでスズメバチの巣を見てその美しさに感動し、この作品を作ったとのこと。スズメバチが少しずつ樹木の皮を運び、唾液を混ぜて巣の層を作ってゆく様子は、たしかに感動的です。
 その層を表現するために、作者はピンクと灰色の和紙を何種類か用意して、丁寧に貼り込みました。背後に六角形の柄を配したのは、巣の中を表現しているのでしょう。その背景が巣の印象を弱めないように、グレー系の色合いでまとめています。
 周囲を富んでいるスズメバチは本物よりも可愛らしい感がするものの、作者が感じた巣の美しさを絵全体の空間を使って表現。絵の出発点が「感動」だということは、とても大事なことだと思います。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース)  
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August 28, 2019

深い海の底

深い海の底坂上 裕子 作 297×210mm

 今回のテーマでは、人間の住み家を描いた人は少なく、動物や鳥、昆虫などの棲家を描いた作家さんが多かったです。そしてこの作品で表現されているのは海の中の栖。海の底では魚やイソギンチャクなど様々な生物が生活しています。
 魚たちやタツノオトシゴも可愛らしく描かれていますが、この作品の中で秀逸なのは、海の表現です。坂上さんは、上の方の光が差し込む明るい色から、底の方の水の色まで和紙の柔らかな色合いを使って美しく仕上げました。海の底にゆらめいている海藻も、ゆったりとした水の流れを感じさせてくれます。
 全体的には切絵の要素よりも貼り絵的な要素が強いのですが、カッティングのラインはキリリとして美しく、剪画らしい作品でもあると思います。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース)  
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August 26, 2019

終の栖−うつつ (2)

終の栖−うつつ (2)菅谷 順啓 作 410×280mm

 今回のテーマ「住み家」を菅谷さんに説明する時に、例として「終の棲家」という言葉を使いました。その言葉がタイトルだと思った菅谷さんが作ったのがこの作品。コミュニケーション不足でしたが、それだけこの言葉が菅谷さんにとって印象深かったのだと思います。
 一方、先日ギャラリーにいらしたお客様は、この絵を見てなんて綺麗な蓮の花…と思いつつ見とれ、手前の人の姿に気が付かなかったとのこと。ギャラリーの中を撮影していて、改めてこの人物に気づいて、とても驚いていました。
 ちょっとした受け取り方の違いや思い込み…それが時にはまた別の世界を描き出すこともあります。新しい発見となることも…。それがこの「終の栖−うつつ」というタイトルの絵の周辺で起こったのがとても面白いと思いました。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース)  
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August 24, 2019

妖精の家

妖精の家小柳 欣也 作 368×504mm

 森の樹の中にあるカラフルな家。その前で咲く花々の中にいるのは可愛らしい妖精たち…。いつもストーリー性を感じる架空の世界を描いている小柳さんの作品です。
 先日ギャラリーを訪れて下さった方が、手前に座っている女の子の表情がお孫さんにそっくり…と絵葉書を購入されました。そんな親しみあふれる妖精たちの表情が、見る側の共感を呼んでいます。
 この絵の中の妖精たちが住んでいる家は、賑やかで、とても楽しい場所なのでしょう。画面全体からそんな雰囲気が伝わってきます。今回の作品展の中でもひときわ華やかで人気のある作品です。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース)  
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August 22, 2019

栖日野 晴美 作 315×870mm

 時折水元公園を散歩している日野さんは、カメラを構えて鳥を観察している人と良く会話を交わすそうです。今年は水元公園にオオタカが滞在して、現在子育てをしているとのこと。高い樹の上に巣を作っているオオタカの家族をモチーフに今回の作品を制作しました。
 手ぬぐい額を使っているため、かなり縦長の作品です。上部に鳥を守っているオオタカの姿、すぐその下に精巧にできているオオタカの巣、そしてその下には林の中を行き交う鳥たちの姿。この構図をうまく使って鳥たちの世界観をうまく描いています。
 また、力強いオオタカと小さな小鳥たちの様子も好対照。日野さんにしては珍しく輪郭に黒い和紙を使ったのも、絵の印象を強めていると思います。
 鳥たちの世界とその栖を描いた力作です。

(「住み家」出展作品 2019. 8.21〜9.7 於:剪画アート&スペース)  
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June 28, 2019

人生

人生佐藤 健二 作 242×272mm

 色紙サイズの作品です。細長い…というテーマを聞いて人生というタイトルで作品を制作した佐藤さん。長く曲がりくねった道の途中を歩いているのも、絵の手前側でそれを冷静に眺めているのも、多分本人を投影したタヌキさんだと思います。
 ギャラリーで この絵を見ていたご来場のお客様が、「あら、私の人生はとても短い気がするわ!」とおっしゃったのが印象的でした。人生はその人が立つ位置によって、そしてその時々によって、長くも短くも感じるものなのかも知れません。
 背景には少し深めの紫の和紙を使っています。それでもその中に白い色が入っているのは、光が射しているということでしょう。人生…明るいのか暗いのか、長いのか短いのか…。絵の前に立つ時にちょっと考えさせれれるものがありますね。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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