June 28, 2019

人生

人生佐藤 健二 作 242×272mm

 色紙サイズの作品です。細長い…というテーマを聞いて人生というタイトルで作品を制作した佐藤さん。長く曲がりくねった道の途中を歩いているのも、絵の手前側でそれを冷静に眺めているのも、多分本人を投影したタヌキさんだと思います。
 ギャラリーで この絵を見ていたご来場のお客様が、「あら、私の人生はとても短い気がするわ!」とおっしゃったのが印象的でした。人生はその人が立つ位置によって、そしてその時々によって、長くも短くも感じるものなのかも知れません。
 背景には少し深めの紫の和紙を使っています。それでもその中に白い色が入っているのは、光が射しているということでしょう。人生…明るいのか暗いのか、長いのか短いのか…。絵の前に立つ時にちょっと考えさせれれるものがありますね。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  

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June 27, 2019

不思議なハーバリウム

不思議なハーバリウム仲島 あい 作 265×463mm

 ハーバリウムはもともと植物標本のことを指しますが、最近はドライフラワーやプリザーブドフラワーをオイルと共に瓶の中に入れ、インテリアとして使われています。美しく演出されるハーバリウムはとても人気があって、完成品が販売されているだけではなく、自分で作るワークショップなども開催されているようです。
 仲島さんのこの絵は、細長い瓶の中に花々と女性を閉じ込めたもの。ポップなタッチで描かれ、紫を中心とした美しい色合いでまとめられています。ちょっと古風な洋装の背景を飾っているのは和紙らしい模様。これが意外に絵柄とマッチして独特の雰囲気を醸し出しました。
 仲島さんらしい楽しい作品だと思います。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 25, 2019

藤波〜日月の光明〜

藤波〜日月の光明〜菅谷 順啓 作 210×410mm

 少し前の季節にはなりますが、長〜い花と聞いて思い出すのは、やはり藤の花。その藤の花を幻想的に描いた作品です。
 キーになっているのは白から紫のグラデーションに染められた和紙です。背景の中心に斜めに光がさすように白色の部分を配置し。その中に浮き上がるように切り抜いた藤の花を置きました。手染めならではの色のぼかしをうまく生かしています。
 そして全体がぼけすぎないように藤の葉を黒で切り抜き、上部にあしらって全体を引き締めました。作品に使っている色数は少ないものの、藤の花らしい幽玄な雰囲気が良く出ています。手染め和紙の美しさを十分に引き出した秀作だと思います。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 24, 2019

古里

古里臼木 冨美子 作 75×363mm

 以前の作品展「Pink」で、部屋の中に飾ってあったお孫さんの作った折り紙のチューリップを描いた臼木さん、今回も「細なが〜い!」というテーマを考えつつ、部屋を見渡したそうです。パッと目についたのがこのこけし。確かに、短冊に描くのに最適な形をしています。
 最近はお土産に買うことも少なくなりましたが、以前はどこの家にもあったこけし。この絵では切り絵らしく黒い輪郭で縁取り、白木の地色に赤い装飾を施しています。この作品では、少し大きめに描いて顔の両頬がはみ出させ、こけしの存在感をより強調しました。
 こけしはシンプルではありますが、人の心の中に郷愁を呼び起こし、ほっとさせるものがあります。臼木さんが伝えようとしたのは、そんな古里のぬくもりではないかと思います。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 20, 2019

トライ

トライ外山 豊子 作 75×363mm

 短冊の形にピッタリと合ったヘチマ。色も形もシンプルなヘチマではありますが、外山さんは、そのふっくらとした形の中に少しずつ模様を入れました。複雑な模様ではないものの、色合いのバランスが良く、絵全体が楽しい仕上がり。これらの色と模様を活かすため、背景にはムラのあるグレーを配しています。
 トライというちょっと不思議なタイトルの由来を聞こうと思っていて、聞きそびれました。下の方に種が飛び散ったかのようにヒラリと飛んでいる赤い形が気になるところでもあります。1枚の短冊に、ストーリーを感じさせる絵柄とタイトル。その背景を想像するのも楽しいですね。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 18, 2019

赤レンガの駅

赤レンガの駅石川 孝 作 510×220mm

 様々な改修工事が終わった東京駅。八重洲側から見ると近代的に見える東京駅も、丸の内側から臨むと昔ながらの姿を見せてくれます。ホームの長さに従って横に細長い建物。確かにテーマにぴったりのモチーフです。
 建築物ということもありますが、石川さんはいつもきっちりとしたラインで対象を描きます。そのため背景に水色のグラデーションの和紙を置いてみたところ少し物足りない感じに仕上がったそうです。一方、この緑のグラデーションを配置したら、迫力ある仕上がりとなりました。ちょうど梅雨の時期の夕立のようです。少し暗めの色合いではありますが、白い部分が遠くの光を感じさせてくれ、良いコントラストとなっています。
 今の時期らしい、迫力のある東京駅だと思います。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 17, 2019

気球

気球戸張 禮子 作 75×363mm

 大地を離れて飛び立つ気球たち。細長い空間をたくさん飛び交う気球で埋める…というのもひとつのアイディアだと思います。幅広い絵の中に描くよりも、空高く気球が上昇しているような感じが出ています。
 気球自体はカラフルですがシンプルに描かれているので、背景に水色を配置した時は思ったよりも平板な感じに見えました。が、教室で戸張さん自身が染めた和紙を配置してみたら、真っ赤な夕焼けの中に気球が泳いでいるような壮大な雰囲気に仕上がりました。背景の色で、絵が持つストーリーまでが変わって見えます。
 空の旅にでかけたくなるような、素敵な作品です。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 15, 2019

ありの行列

ありの行列坂上 裕子 作 75×363mm

 細長い…と聞いた時に坂上さんがまず一番最初に思いついたのがアリの行列だったそうです。たしかにアリが獲物から巣まで延々と作る列は長く続いていますね。
 アリの黒い色を強調するために輪郭は茶色でカッティング。土の部分に明るい色を何色か入れて、画面全体に変化を持たせています。画面のところどころに配置した黄色い花すべてに色を入れず、輪郭だけでのものをいくつか配置したところに、作者のセンスの良さを感じました。全体が重くならず、アリの動きがより強調されています。背後に材質感のある和紙を配置したのも素敵です。
 暑い夏に働くアリさんたちの姿。これからの季節に飾りたくなる、楽しい作品です。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 11, 2019

人生は放物線

人生は放物線結城 公子 作 75×363mm

 今回の出展作品の中で最もシンプルにして強いメッセージ性を持っているのがこの作品ではないかと思います。
 通常は文字を書くのに使う細長い短冊を台紙に使い、一つなぎになったシンプルな絵を貼り付けてあります。極端なカーブを描いた放物線とそのラインに沿って配置された人物。左側にハイハイする幼児、曲線の頂上に壮年期の人影、そして右下に杖をついて歩く人物像…。それぞれに時間を追った作者の姿を投影しているのでしょうか。
 内容はシビアですが、絵全体からは何となくユーモラスな感じが漂ってきます。結城さんらしい個性的なタッチと、人生全体に対するどこか乾いていながらも温かい目があるからではないでしょうか。
 是非実際の作品を見て、皆様の感想をお聞かせ下さい。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 09, 2019

鰻の寝床

鰻の寝床高橋 隆 作 747×246mm

 今回の作品展「細なが〜い!」というタイトルで、絵を見て誰もが一番に納得するのがこの作品です。鰻だけでも十分細長いのですが、その寝床…。実際には鰻を取るためのこのカゴの細長さは、今回のテーマにピッタリです。
 カゴと鰻だけではなく、稚魚をあしらうことによって、水の中でうねっている鰻の動きをうまく表現しています。また、背景は水色の和紙を一度当ててみたのだそうですが、沼地に住む鰻には、この濁った色合いの方が似合ったとのこと。
 何とも絶妙なこの鰻作品。ご覧になった後は柴又まで葦を伸ばして鰻重をおひとついかがでしょうか。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース)  
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June 07, 2019

離れたスキに…

離れたスキに…日野 晴美 作 480×200mm

 お皿のパスタの片隅を加えるオウム。そしてそのお皿のパスタを狙うモノがもう1匹。ちょっとした瞬間を捉えたユーモラスなシーンです。
 この作品に作者の日野さん自身がコメントを寄せています。「高校生時代に 早起きしてお弁当作りをし、粗熱をとっているチョットの隙に飼い猫にお菜をもっていかれてものすごく凹んだ今では笑える思い出があります。他にも色々ないたずらは数多く…それでもペットは何故か憎めないいたずらっ子だけど可愛い癒しの子ですね。」
 抑えめでありながら優しい色合い。作者のペットに対する温かい目を感じる作品だと思います。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース
  
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May 24, 2019

なでしこの花にも君は…

なでしこの花にも君は…石野 千鶴子 作 378×266mm

朝ごとに 我が見る屋戸(やど)の 瞿麦(なでしこ)が 花にも君は ありこせぬかも
毎朝いつも見るわが家の瞿麦の花ででも、あなたはあってくれないかなぁ。
笠女郎
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

つれない男性に対して詠んだ歌ではありますが、この作品に描かれたなでしこは、とても可憐な花々です。
 この花は花びらの形が複雑で、その線をナイフで丁寧に切り抜いてゆく必要があります。さらに、この花の中心を白く残すため、石野さんは編みブラシを使ってグラデーションを付けながら花びらを彩色したとのこと。実際に使われた花よりも多くの花々を彩色し、その中から気に入ったものだけを貼り付けたそうです。
 美しく繊細ななでしこの花々。時間をかけて丁寧に作られた作品です。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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May 22, 2019

真間の手児奈

真間の手児奈高橋 隆 作 272×388mm

葛飾の 真間の入江(いりえ)に うちなびく 玉藻刈(たまもか)りけむ 手児名し思ほゆ
葛飾の真間の入江になびいている美しい藻を刈ったろう 手児奈のことが思われる。
山部赤人
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

 手児奈は真間に住んでいた美しい女性で、多くの男性に求愛されたものの、それがゆえに最後には自らの命をたったそうです。その話を聞いて赤人が詠んだのが、この歌。この伝説が伝わる市川真間には、手児奈を祀っている祠があります。
 寂しげな女性の白い横顔、風にゆらぐ葦、抑えめの色彩…。悲劇の女性にふさわしい雰囲気が描かれたこの作品を見ながら、万葉の世界に浸っていただければ幸いです。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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May 19, 2019

越中万葉の風 〜花〜

越中万葉の風 〜花〜菅谷 順啓 作 242×272mm

物部(もののふ)の 八十少女(やそおとめ)らが 汲みまがふ 寺井(てらい)の上の 堅香子(かたかご)の花
物部の多くの少女たちが入り乱れて水を汲む、その寺井のほとりの堅香子の花よ。
大伴家持
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

 この歌も万葉集の編者、大伴の家持が越中国に滞在した時に詠まれた歌です。カタクリの花はそう大きくありませんが、密集して沢山咲くと本当に綺麗です。そんな楚々とした花々をできる限りシンプルなラインで描いたこの作品。カタクリの花々がひっそりと語り交わしているようにも見えます。
 背景には紫がかったグレーと白のグラデーションが入った雲竜紙を用い、紙の繊維と色合いが花々を引き立てています。美しく品のある小品です。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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May 16, 2019

秋の七草

秋の七草日野 晴美 作 420×297mm

秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
秋の野に咲いている花を指を折って数えると次の七種類の花が美しい。
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

 万葉集には恋の歌や別れの歌が多く詠まれていますが、古人の想いをそのまま絵にするのは難しいもの。そこでどんな絵を描いたら良いか迷っている作家さんには、万葉の花を探してみることをおすすめしました。が、万葉集の歌の中に詠まれている花は野の花で、小さなものが多いのです。日野さんが選んだ秋の七草も、かなり繊細な植物です。
 描かれている草花は、萩、すすき、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、朝顔…。その一つ一つを丁寧に描写し、色和紙で彩色してあります。奥ゆかしく優美な秋の七草をお楽しみ下さい。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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May 13, 2019

NIPPON

NIPPON結城 公子 作 415×305mm

 今回の作品展の出展作品では、それぞれの作家が万葉集の中から句を選んで、その句についての作品を制作しています。が、結城さんのこの作品だけは特定の句を元に描かれたものではありません。万葉集の中に出てくる花を、来年のオリンピックにちなんで五輪の輪の中にレイアウトしたものです。
 描かれている花は、ももよぐさ(野路菊)おみなえし(女郎花)おもいぐさ(南蛮煙管)からあい(鶏頭)しののめぐさ(朝顔)おかととき(桔梗)ひかりぐさ(姫百合)はなな(菜の花)あせび(馬酔木)。どの花も野の花らしく、慎ましく、愛らしい花々です。
 デザイン的に配置されている万葉の美しい花々をお楽しみいただければ…と思います。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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May 12, 2019

常夏

常夏神田 いずみ 作 280×200mm

立山(たちやま)に 降り置ける雪を 常夏(とこなつ)に 見れども飽かず 神(かむ)からならし
立山に降り積もった雪を夏中見ていても飽きない。神山の名にそむかないことよ。
大伴家持
(万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西進著 より抜粋)

万葉集の編者である大伴家持は越中国(富山県)の国守として5年間赴任していました。家持はここで立山や海岸、寺社など沢山の句を詠んでいます。富山県出身の神田さんは、万葉集の中から家持が富山で詠んだ句を選び、そのワンシーンを剪画にしました。
 夏でも頂に雪を残した立山、そして古来から神の使いとしてみなされていた雷鳥。鮮やかな水色と白、そして黒い和紙を使ってキリリと描いています。時を超えて息づく自然の息吹を感じる力強い作品です。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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May 09, 2019

蓮(はちす)

蓮(はちす)青山 政枝 作 342×418mm

ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(はちすは)に 渟(たま)れる水の 玉に似たる見む
ひさかたの雨も降ってくれないか。蓮の葉に溜まった水の、玉に似たのも見よう。
作者不明

 この当時、蓮は花を楽しむだけでなく、葉を食物を盛るための器としても使用されていたそうです。
 落ち着いた色合いの和紙を組み合わせて彩色した美しい蓮の花。大きな葉や可憐な花びら、そして背景の水と空にはむら染めの和紙を利用しています。特に背景の和紙の下側には、穴の開いた落水を重ねて貼ることによって、揺らぐ水面を装飾的に表現。和紙の風合いを活かした作品となりました。
 絵の中にさり気なく描かれているカエルやトンボは、画面の中に静かに佇んでいる蓮の花に小さなアクセントを与えています。小さな部分ではありますが、これによって万葉の生命を感じる絵となりました。
 古風ながらどこか現代的な佇まいの蓮の花。添えられた句と共にお楽しみいただければ幸いです。

(「万葉集」出展作品 2019. 5.8〜5.25 於:剪画アート&スペース)  
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April 05, 2019

芝桜の丘

芝桜の丘日野 晴美 作 445×330mm

 色をテーマにした作品展は何度か開催していますが、今回「Pink」をタイトルにするかどうか、少し迷いました。ピンクという響きが良い意味ばかりではないような気がして…。それでもピンクを他の色に置き換えることは不可能でした。ピンクは桃色でも桜色でも薄紅色でもなく、それらをすべて含んだ色だからです。
 日野さんのこの作品では、様々なピンク色が使われています。ごく薄いピンク、派手なピンク、灰色の入った渋めのピンク、サーモンピンク、紫に近いピンク…。それぞれの色合いが春の甘やかな雰囲気と、艶やかな光景を描き出しています。
 芝桜の咲き誇る美しい丘。春と共に様々なピンクをお楽しみいただければ幸いです。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
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April 03, 2019

桃花の節

桃花の節南舘 千晶 作 210×297mm

 可愛らしいピンクのお雛様。ご紹介する画像は背景の花々とお雛様を重ねてスキャンしたものですが、実際には箱額の中に飾られています。薄いピンクの花々は箱の奥の部分に、お雛様は2cmほど手前の透明のアクリル面に貼り付けられ、少し立体的に見えます。
 お雛様については南館さんのコメントに説明されていますので、そのまま記載させていただきます。「今のカレンダーの3月3日では桃の花にはまだ早いですが、地方によっては『ひなまつり』を旧暦で行うところが今でもあるようです。今年の旧暦3月3日は4月7日、桃の花もぼちぼち咲き始める頃でしょうか。立ち雛は座り雛より歴史が古い、という事もあってお雛様たちの立ち位置も、左上位という古来のものにしてみました。」
 全体にバランスのとれた、美しく、テーマの「Pink」にふさわしい作品です。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
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April 01, 2019

こぶたびより

こぶたびよりまるぽ 作 148×148mm

 子育て中のまるぽさん、大きな作品を作っている時間はないものの、夜子どもたちが寝静まったあと、小さな作品を作ることは…なんとかできるそうです。
 そうして作られたのがこの2点。ちょっとやんちゃではありますが、元気に遊ぶ子どもたちと、母親のもとでエネルギー補充中の親子ブタの姿。本当に見ていて微笑ましい作品です。テーマのピンクはブタさんたちの色であり、また春の桜や地面の色でもあります。元気を表す色、活気に満ちた色…。
 活気にあふれるピンクを、この作品で感じていただければ幸いです。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
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March 29, 2019

ピンクパンサー

ピンクパンサー高橋 隆 作 223×300mm

 このパンサー、どこかで見た感じがする方は…2年前の春に剪画アート&スペースでの「きいろ」展に来てくださった方ではないかと思います。その時は「イエロー・パンサー」でした。
 同じ図柄のパンサーですが、色を変えているだけではなく、前回正方形だった画面を少し細くし、サイズを絞っています。そのため、全体にじっと何かを見つめているパンサーの表情が強調されています。
 同じパンサーでも色合いによってずいぶん雰囲気が変わります。ピンクになったパンサーは、イエローよりも現実離れをしている分、色味に注目が集まります。ピンク・パンサーという呼び名に懐かしさを感じる方、是非実物の作品を見てご感想を聞かせて下さい。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
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March 26, 2019

映える

映える石川 孝 作 408×286mm

 霞ヶ浦の湖畔に咲く桜でしょうか。ちょう夕暮れ時で空の色はピンクに…。一方暮れゆく空と水の色が夕焼けの色を引き締めています。
 石川さんは黒い和紙をカッティングした後、背景の和紙を探しにいらして、様々なグラデーションの和紙を試していました。真っ赤な夕焼け空も魅力的でしたが、半透明のピンクのグラデーションの雲竜紙の背後に水色のグラデーションの和紙を置いたところ、水の色と暗くなってゆく空の色がとても良い感じに表現されました。雲竜紙の質感も、独特の雰囲気を演出しています。
 使う和紙によって、様々な表現が可能になる剪画。和紙をうまく活かした作品だと思います。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
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March 25, 2019

桜草の首飾り

桜草の首飾り菅谷 順啓 作 230×250mm

 桜と富士山は絵画にも描かれる定番の風景ですが、芝桜や桜草もまた、この時期に画題となる風景です。白い雪を抱いた青みがかった富士山は、ピンク色によく映えます。
 菅谷さんの絵では、桜草の色を抑えめにして、富士山も青みよりも紫がかった色味に描いています。また、桜草の茎や葉には緑色を使わずに黒い和紙の色をそのまま活かしました。そのため、やわらかい感じのピンク色が引き立って、全体にふんわりとした優しい雰囲気に仕上がっています。
 今日の水元公園の桜は1分咲きで、満開の桜まではもう少し時間がかかりそう…。週末あたりはだいぶ開くことと思います。是非お散歩にいらして下さい。

(「Pink」出展作品 2019. 3.20〜4.6 於:剪画アート&スペース)  
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March 02, 2019

つらつら椿

つらつら椿南舘 千晶 作 420×594mm

 つらつら椿は、万葉集の中に出てくる言葉で、連なって咲く椿の意味があるそうです。
 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を (坂門人足)

 万葉集と直接関係あるシーンではないと思いますが、あたり一面に咲き誇る椿の花と、その中に佇むちょっと神秘的な感じのする和服の少女。とても印象的な作品です。
 複雑な色合いに見えるこの作品ですが、実際は黒と赤にムラ染めされた1枚の和紙をカット。その強い陰影が、不思議な雰囲気を演出し、不思議な世界を完成させました。この1枚だけで、背後にある物語を見る側に想像させてくれます。
 背景には少しシワのある素材感ある和紙を配置。ムラ染の和紙と合わせて紙の質感を最大限に活用した作品だと思います。

(「Senga Femina 2019」出展作品 2019.3.4〜3.9 於:ギャラリー暁)  
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