September 13, 2018

落し文

落し文結城 公子 作 242×272mm

 落とし文とは、ひそかに意中の人に読んでもらうように故意に落とす恋文のことだそうです。が、ここに描かれていのは実際にそういう名前の昆虫で、私もこの作品で知ってから調べ、初めてその生態を知りました。
 オトシブミのメスは、初夏の頃に若葉を巻いてその中に卵を産み落とすそうです。そこで生まれた幼虫はこの葉を食べながら育ち、ここで蛹となり羽化するとのこと。
 結城さんは作品のコメントに「未来に託すメッセージを込めて!」と寄せています。シンプルにそしてどこかユーモアの感じられるこの作品は、まさに作者が未来に向けて放つメッセージともなっているようです。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース
  

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September 04, 2018

便り:ふるさとから!!

便り:ふるさとから!!石川 孝 作 242×272mm

 様々な物を繊細なタッチで描く石川さんは、今回のテーマで実際に存在するポストの絵を2枚寄せて下さいました。
 「便り:ふるさとから!!」は、こけしをかたどった鳴子のポスト、そして「便り:ふるさとへ!!」は列車をモチーフにしたポストで、品川駅にあるそうです。それぞれに背景も描いてみたものの、ポストだけを画面に入れた方がよりテーマが伝わるということで、シンプルに画面の真ん中に配置してあります。
 それぞれに素朴な和紙や明るいピンクの背景を使い、雰囲気を作り上げているのが素敵。実際にこうしたポストを見に行きたくなりますね。テーマに合った素材を見つけ出してくる…それは作品制作の上でとても重要な工程だと思います。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース)  
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September 01, 2018

便り

便り南舘 千晶 作 350×245mm

 1本の木の下に佇む懐かしい形のポスト。その蕎麦には郵便屋さんの赤い自転車が停められています。
 南館さんのコメント。「家の近所に、まだ現役の丸形のポストがあって、それを見ると、昔々、何人かのペンフレンドと文通していた事を思い出します。ポストに手紙を投函した瞬間からもう返事が来る日が楽しみになるのでした。今はもうすっかり手紙も書かなくなって、昔の友達ともご無沙汰です。」
 スマホひとつで即時に連絡が取れる現在からすると、ゆったりとした時の流れを感じるようなポストと郵便物。作者の思いを綴った、温かみのある作品です。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース)  
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August 30, 2018

四季の便り

84b1f9ef.jpg日野 晴美 作 540×220mm

 今回のご案内ハガキに使わせて頂いたのはこの作品。手紙をくわえた鳥が羽を広げて飛翔している姿を描いています。
 背景には春・夏・秋・冬と四季のうつろいを表現する花々。それぞれに美しく柔らかい色合いの和紙を使用し、シャープな鳥のラインを引き立てています。
 台紙となるのは生成りの素材感がある和紙です。他にも少し透け感のある雲竜紙を多用し、和紙らしい優しい雰囲気を作り上げました。日野さんらしい巧みな組み合わせです。
 こんなふうに日本の美しい季節を表現した便りが手元に届いたら嬉しいですね。

(「便り」出展作品 2018.8.29〜9.15 於:剪画アート&スペース)  
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June 28, 2018

縁結び?

縁結び?佐藤 健二 作 272×242mm

 2匹の狛犬が背を向けた形で佇んでいます。1匹は子供を連れ、もう1匹は玉を転がしているあたりは狛犬の定番形ですが、口元を見ると「あ・うん」ではなく、どちらも「あ」の形。この狛犬たちは神社の参道に置かれているのではなく、中華料理店の入り口に置かれているものなのだそうです。
 2匹の間には縁結びが叶うことを暗示している結び目。口お開けている狛犬たちの愛くるしい表情とちょっと自信なさげな「縁結び?」のクエスチョンマーク。厳しい犬の絵柄が並ぶギャラリーの中で、ちょっと頬を緩ませてくれる作品です。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 25, 2018

怖い夜の世の中に…

怖い夜の世の中に…結城 公子 作 242×272mm

 この作品も狛犬ではなく、狛犬のようにどっかりと座っている牛の像です。牛を神社の守り手として置くのは、藤原道真、天神様だということです。
 どっしりと座る二匹の牛。小さな画像ではわかりにくいのですが、真ん中の少し左寄りに小さな鳥が飛んでいて、像の背中にも何匹か乗っています。タイトルでは怖い世の中…と書かれていますが、そこにはどっしりと腰を据えて守ってくれるものがあり、小鳥たちは安心して暮らしている…という風にも解釈できます。
 シンプルなモノトーンの画面。どこかユーモアを感じさせてくれる作品だと思います。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 23, 2018

夕暮れ

夕暮れ六郷 もと 作 395×280mm

 六郷さんは、狛犬を思い浮かべた時、なかなかモチベーションが上がらなかったそうです。そして思い出したのがお稲荷さんのキツネ。この作品は、埼玉県上尾市瓦葺稲荷神社をモチーフにしているとのこと。少し恥じらったように首をかしげるキツネさんたちは、どこかしら女性的で、そこはかとない色気があります。

 少しずつ空の色が変わり、暗くなる夕暮れ時。キツネさんたちは暗くなってゆく杜を背景に白い色が際立って見えます。その闇の中には赤い鳥居も…。グラデーションの鮮やかな色和紙を使って、トワイライトのちょっと不思議な世界を描きました。

 この絵の前に立って、白いキツネさんたちに招かれるミステリアスな世界へ出かけてみて下さい。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)  
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June 21, 2018

三連狛犬

三連狛犬g石川 孝 作 410×286mm

 今回の作品展では、狛犬自体を中心に据えて描いた作品が多かったのですが、この作品は神社の社ごと描いています。
 石川さんの解説によると、我孫子市の街中にある香取神社の風景だとのこと。三組並んでいる狛犬は、全国でも珍しいそうです。御神体を守る狛犬は一組でも十分霊験あらたかだとは思いますが、ズラリと並ぶとさらに強力な感じがします。
 色調は極めて抑えられていて、モノトーンに赤、水色。中央の黒い部分が全体を引き締めています。神社の柱だけではなく、狛犬の口の部分に使った赤がアクセントになりました。
 狛犬を静謐な風景の中に描いた美しい作品です。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 20, 2018

仕上げに向けて

仕上げに向けて仲島 あい 作 272×242mm

 あともう1点、川六の狆の狛犬像があります。それが仲島さんが描いたこの作品。幕末の石工、川六が狛犬を制作している図です。
 少し川六が可愛すぎる気もしますが…。愛らしい狛犬を前にした職人をコミック調で描いたこの作品は、生活感が出ていて魅力的。シンプルに線だけで仕上げたことによって、狛犬の胴体の模様や、尾の複雑な形が強調されました。
 この作品だけでも面白いのですが、他の像を制作するところと組にすると、また楽しくなりそうです。人の視点から狛犬を描く…仲島さんらしい作品だと思います。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース
  
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June 19, 2018

川六の狛犬 No.1

川六の狛犬 No.1高橋 隆 作 380×280mm

 高橋さんのこの作品も川六の狆の狛犬です。同じ像でも、柔らかい線で描かれた日野さんの狛犬とも、可愛らしくデフォルメされた南館さんの作品とも違って、男性的にシャッキリと表現されています。
 後ろに配したのは実際の景色ではなく、市松模様。No.1の作品では金、銀、さらにナチュラルな和紙の色を使い、現代的な感じに仕上げました。また、No.2の作品では、市松を斜めに配置し、背景を赤に変更。色使いを変えるだけでも華やかな感じに仕上がります。
 アレンジによって雰囲気が変わる狛犬の作品たち。飾る場所に合わせて制作するのも楽しいのではないかと思います。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース
  
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June 17, 2018

狛犬

狛犬南舘 千晶 作 242×272mm✕2枚

 日野さんが描いた狛犬と同じ鷲峰神社の狆の狛犬の吽の方を描いています。写実的に描いた日野さんと対照的に、南館さんはかなりデフォルメして描きました。
 ゲームやアニメのキャラのような感じで頭部が大きめになっているため、とてもかわいらしい感じ。シンプルな輪郭線と綺麗に揃えられた装飾線、特に尾の流れるようなラインはとても綺麗です。
 かっきりとした感じに描かれた分、背景には手漉きの耳付き和紙を使いました。ボコボコとした表面の質感が狛犬を存在感あるものに感じさせます。
 モノトーンながら、ご来場の方々にも人気の高い作品です。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 16, 2018

杜の狛犬

杜の狛犬日野 晴美 作 273×410mm

 鳥取で幕末に活躍した名工、川六の作品で、鷲峰(じゅうぼう)神社に祀られています。その愛らしい容貌から、狆の狛犬として親しまれて多くのファンがいるとのこと。厳しい顔をして神々を守っている通常の狛犬に比べると、確かに優しくおおらかな表情をしています。
 日野さんは以前、春の日差しのような明るい色彩で、この像を描いています。今回の作品展では、仄暗い神社の杜の中に佇む深遠な感じのものに作り直しました。どちらもこの狛犬にはふさわしい気がします。
 また、この狛犬は今回4名の作家さんが描いています。その表現の違いも是非比べて楽しんで下さい。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 12, 2018

シンガポールの狛犬?(マーライオン)

シンガポールの狛犬?(マーライオン)高橋 隆 作 240×390mm

 ここ数日話題になっているシンガポールの絵をご紹介。今回の「狛犬」展には、神社に鎮座している狛犬だけではなく、狛犬的なもの…を描いた作品も並べられています。お稲荷さんや牛、そしてハチ公…そしてシンガポールのマーライオンです。
 マーライオンはライオンの頭と古代都市のテマセックを象徴する魚の尾を持っています。口から水を吹き出すその像は、シンガポールを訪れる人がほぼ見に行くことでしょう。
 かっちりと描かれたマーライオン。かなりシンプルな絵柄ですが、海面や足元の波を表現した台座にむら染の和紙、吹き出す水に落水紙、背景にグラデーションの入った和紙を和紙を使うことによって、独特の風合いがある絵に仕上がりました。
 涼し気で、夏にかけておくのにピッタリな作品だと思います。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 09, 2018

天照・月読への道

天照・月読への道菅谷 順啓 作 20×440mm

 「狛犬」展で菅谷さんが描いたのは、こちらをしっかりと見据えている迫力のある狛犬たち。それぞれに阿・吽の音を発し、巻き毛に筋肉粒々とした姿で描かれています。いつもは細い線で繊細な女性や花々を描く菅谷さんですが、今回は太いしっかりとした線を使いました。
 体躯にはナチュラルな和紙。同じ和紙を月と日にも使うこととによって、全体の色合いを抑え、素材感を強調しました。背景は墨で染めたむら染めの和紙を配し、空気の流れを演出、狛犬たちを引き立てています。
 静寂さと強さとを同時に表現した迫力ある作品です。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース)  
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June 07, 2018

玉取り・子取り

玉取り・子取り青山 政枝 作 242×272mm

 今回の「狛犬」展では、様々な狛犬が描かれています。青山さんの描いたのは、オスが玉(てまり)を転がし、そしてメスが子供をあやしている姿。財産を上手に転がし、子孫繁栄を願っている…という意味があるそうです。
 一見厳しい表情をしていますが、ちょっと愛嬌がある狛犬たち。石像をオス・メスに分けて色付けし、背景にピンクのグラデーションを配したことによって華やかで生き生きとした画面になりました。両側から出ている木の枝が、神社静謐な雰囲気を演出。渋めのテーマを鮮やかに描いた青山さんらしい作品だと思います。

(「狛犬」出展作品 2018.6.6〜6.30 於:剪画アート&スペース
  
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May 28, 2018

時は流れても赤いダイヤ

時は流れても赤いダイヤ六郷 もと 作 285×400mm

 今回コーヒー・セレモニーやカップの絵はいくつかありましたが、赤いダイヤ…コーヒーの実を描いたのはこの作品だけです。エチオピアのコーヒーによせて、色鮮やかな赤い実と緑の葉、そして青い空…。六郷さんらしい美しい色彩の作品となりました。
 エチオピアには古くから教会やモスクが作られ、様々な文化の影響を受けながら発展していった一方、部族民がそれぞれの文化を保持して生活している村もあります。民族衣装も生活も、そして宗教も…バラエティに富んでいる国なのです。
 そんな多様性とコーヒーの文化を、グラデーションの入った和紙を使い、六郷さんならではのタッチで描いた秀作です。

(「エチオピアン・カフェ」出展作品 2018.5.16〜6.2 於:剪画アート&スペース
  
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May 26, 2018

アロマ

アロマ角田 直哉 作 290×290mm

 剪画…というよりは立体オブジェです。竹ひごを水で濡らして曲げ、ごく薄い和紙を糊で貼り付けます。この微妙な色合いを出すためには4重にも5重にも重ねて様々な色合いの和紙を貼るそうです。そしてパーツを組み合わせながら、全体の形を調節してゆきます。背後には和紙を流れる曲線の形に切り抜いたものを貼り付け、一部、剪画の雰囲気を出しました。
 コーヒーをモチーフに、その香りを流れるような曲線で表現したこの作品。ちょっと不思議でしばらく眺めていても見飽きることがありません。

(「エチオピアン・カフェ」出展作品 2018.5.16〜6.2 於:剪画アート&スペース
  
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May 24, 2018

ねじれ (1)

ねじれ (1)石川 孝 作 242×272mm

 マウンテンニアラは偶蹄目ウシ科の動物で、エチオピアの固有種だそうです。体には白いストライプと斑点、そして雄の角は外側に向かってねじれています。写真で見ると様々なねじれ方をしたマウンテンニアラの写真を見ることができます。
 石川さんはその毛並みの表現に苦労したようですが、毛の流れや斑点を省略しながら描き、網ブラシで灰色の陰影をつけました。全体にキリリとまとまった作品になっていると思います。
 作品は2点が組みになっていて、1点は体全体を、もう1点は拡大した頭部を正面から描いています。2組を並べて見ると、まだ見たことがないマウンテンニアラのイメージがよりクリアに湧いてくるような気がします。
 はるか遠くを眺めるように佇むマウンテンニアラ。是非エチオピアの大地で見てみたいですね。

(「エチオピアン・カフェ」出展作品 2018.5.16〜6.2 於:剪画アート&スペース)  
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May 23, 2018

お母さんのコーヒー

お母さんのコーヒー仲島 あい 作 340×245mm

 エチオピアでは、女の子は13〜14歳になるまでにお母さんからコーヒーの入れ方を教わるそうです。鍋で炒ってすりつぶし、首の長いポットで水から煮出します。その家によって炒り方、粉の挽き方、火の加減など、コーヒーの淹れ方が違うのでしょう。
 仲島さんはエチオピアン・コーヒーハウスさんのコーヒーセレモニーに参加してそうした話を伺い、イメージを膨らませてこの作品を制作しました。コーヒーの淹れ方を教わりながら、その香りや味を楽しむ親子の楽しげな様子が描かれています。
 女の子の微笑み、ふんわりと立ち上る湯気、シンプルに描かれたサイドの花…。色彩も優しく、心温まる作品だと思います。

(「エチオピアン・カフェ」出展作品 2018.5.16〜6.2 於:剪画アート&スペース
  
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May 21, 2018

Ethiopian Dream

Ethiopian Dream南舘 千晶 作 210×297mm

 作品展を開催する前に、エチオピアンコーヒーハウスさんでDVDやパンフレットを見せて頂きました。その時の映像にあったレッドホットポーカーを描いた南舘さん。以前、家の庭にも咲いていたのだそうです。大ぶりの花に合わせたのはサンコウチョウという南国の鳥。エチオピアは野鳥の宝庫なのだとか…。
 黒い輪郭の下にはコンピューターで彩色し、出力したものを合わせています。淡い色合わせがとても綺麗です。写真では花々の上に直接透ける紙で切り抜かれた鳥が置かれていますが、実際には箱状の額の奥に背景が置かれ、鳥は手前のアクリルに浮くようにして貼ってあります。そのため、鳥がもう少しくっきりと見えます。
 また、この花々だけを小さく切った作品もエチオピアンコーヒーハウスさんに飾ってあります。是非両方の絵を実際に見比べて楽しんで下さい。

(「エチオピアン・カフェ」出展作品 2018.5.16〜6.2 於:剪画アート&スペース
  
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May 20, 2018

エチオピアン コーヒー

エチオピアン コーヒー日野 晴美 作 140×140mm

 エチオピアン・コーヒーハウスさんで月に1回開催されているエチオピアン・コーヒーセレモニー。日野さんは2回ほど参加しています。
 民族衣装を着た女性がフライパンの上で青豆を炒って香りを出し、木の器の中ですりこぎを使って細かく砕きます。これを首の長いポットに水と共に入れてゆっくりと煮出すのです。
 その首の長いポットが、この絵に描かれているもの。このカラフルなカップもコーヒーハウスさんで使用されています。全体の色合いを整えるために背後に明るい黄色とオレンジ色、そして緑色を配しました。白い雲竜和紙を使ってコーヒーの湯気を描いたのも良い感じです。
 27日にはギャラリーでもコーヒーセレモニーを行います。興味のある方は是非ご参加下さい。(要予約・残席あり)

(「エチオピアン・カフェ」出展作品 2018.5.16〜6.2 於:剪画アート&スペース
  
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April 11, 2018

つくし誰の子スギナの子

つくし誰の子スギナの子つくし誰の子スギナの子

佐藤 健二 242×272mm

 ギャラリーの入り口に入ってすぐ右側の壁に掛けられているこの絵を覗き込んで、「かわいい〜!!」という声を上げる人…。今回の作品展でとても人気のある絵です。
 待ちに待った春になり、ようやく道端に芽を出したつくしを覗き込んでいる2匹のたぬきさんたち。驚いたり、喜びの声を上げたり…その表情は確かに可愛らしく、思わず頬がゆるんでしまいます。
 シンプルなラインは黒い和紙で切り抜き、たぬきさんたちやつくしには色和紙をはめ込みました。そして背景は、網ブラシで彩色。その微妙な陰影がふんわりとした春の空気感を演出しています。
 「つくし誰の子スギナの子」の歌を思い浮かべながらこの絵を見つめ、春の空気に浸ってみて下さい。佐藤さんらしいほのぼのとした優しさが伝わってくると思います。

(「春の調べ」出展作品 2018.3.21〜4.14 於:剪画アート&スペース
  
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April 08, 2018

Primavera −春−

Primavera −春−南舘 千晶 作 420×297mm

 南舘さんは横顔の女性をテーマに、何点かシリーズで作品を制作しています。今回の作品はそのうちの1点です。
 切り抜いている白い紙は和紙ではなく、コピー紙のような洋紙です。かなり細い線なので、和紙では切り抜きにくいのでしょう。背景はコンピューターで彩色し、キャンバス地にプリントアウトしたもの。色をキチッと入れすぎずに、ぼかしてピントを少しずらしたような彩色が、帰って繊細な白い線を浮き立たせています。
 使う紙や彩色方法を限定せずに、作品に合わせて様々な素材を使ってみる…南舘さんのその柔軟な制作方法は、シリーズを較べてみると良くわかります。それぞれのテーマにどんな素材を使っているのか、是非較べてみて下さい。

(「春の調べ」出展作品 2018.3.21〜4.14 於:剪画アート&スペース)  
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April 07, 2018

ピアノ道

ピアノ道小柳 欣也 作 368×504mm

 今回の作品展「春の調べ」では、明るい色彩で楽しい作品が多いのですが、中でもひときわ人気の高いのがこの作品です。樹々の間に広がったピアノの鍵盤の道。その中を楽しげに踊りながら通ってゆく動物たち…。
 遠くから手前まで繋がってくる鍵盤のダイナミックな表現や、擬人化された動物たちの躍動的な動きなど、描かれているもの全てがとても良くできているのです。それを見ているうちに絵本の一コマのような物語性のあるシーンにどんどん引き込まれてゆく…。この絵の前で立ち止まって絵に見入っている方が多いのもうなずけます。
 ちょっと不思議で夢のある小柳ワールド。それぞれに創造力を膨らませながら楽しんで頂けることでしょう。

(「春の調べ」出展作品 2018.3.21〜4.14 於:剪画アート&スペース)  
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April 05, 2018

piacevole

piacevole仲島 あい 作 211×298mm

 タイトルはenjoyable…イタリア語の形容詞で「楽しい」という意味です。
 明るい黄緑色色の背景の中でバイオリンを弾く少女。楽しげな少女は羽を持っていて、宙に浮いているよう。衣服や羽の色、背景に飛び交う綿毛やタンポポ…それぞれに色合いが美しく、春らしい空気を感じます。和紙の色合いはともすると落ち着いてしまいがちですが、むら染の背景の色が他の和紙の色味にうまく作用して、空気に透明感が出ました。
 仲島さんらしい若々しい作品に仕上がっていると思います。

(「春の調べ」出展作品 2018.3.21〜4.14 於:剪画アート&スペース
  
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