December 06, 2017

寝正月

寝正月佐藤 健二 作 242×272mm

 今回のテーマであるワンちゃん、サブテーマである猫さん、そして作者の投影と思われるタヌキさん…タイトルのとおり、ぐっすりと寝込んでいる様子です。のんびりとした寝正月を過ごす彼らは皆、幸せそうな寝顔。このユーモラスな絵を眺めるだけで、つい頬が緩んでしまいます。
 茶系の色と、グレー系の水色がごく控えめにあしらわれていて、色彩も抑えめ。中心の日の丸がちょっとくすんだ色にになっているのも、のどかな寝正月にはふさわしい感じです。干支展に出展されている他の作品に比べると地味めに見えますが、それがまた癒し系の雰囲気を醸し出しているのです。
 年末にバタバタと忙しい方に…ほんのひと時、この絵を見てゆったりとした気分になって頂けれたら…と思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
  

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December 05, 2017

抱かれて

抱かれて六郷 もと 作 280×440mm

 六郷さんが描くのはモデリアニのような首が長く、もの言わぬ女性。それでも全身からにじみ出る雰囲気が、ストーリーを物語っているようです。今回のこれらの「抱かれて」2作品のうち、色数の少ないピンクと白い犬の絵を先に完成させたそうです。
 その後、周囲から「干支展に出すのはもう少し艶やかな方が良いのでは…?」という提案があって、花々が散るもう一方の絵を描いたとのこと。同じ人物像でも、色合いや背景が違うと全く違う雰囲気の絵になる…というこのが良くわかります。
 六郷家の老犬を描いたというこの作品。一見無表情に見える女性の姿からでも、作者の並々ならぬ愛情が感じられます。余分な表情がないからこそ、よりこの愛犬の表情が引き立つのではないかと思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
  
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December 04, 2017

おはよう!?

おはよう!?小山 和男 作 242×272mm

 毎年干支展に出展して下さる小山さんの作品です。どことなくユーモラスな動物の表情を描く小山さん。今回もクスリと笑いを取るような絵柄です。
 寒い冬の朝でしょうか?ご主人顔置きた後に布団の中から顔を出すわんちゃん。お散歩にいくのがおっくうなのか、少し不満げな表情に見えます。が、それも抗議するような顔つきではなく、なんとなくとぼけた雰囲気が伝わってきます。
 モノトーンを基調にしながら、わずかに水彩絵の具でドットや影を着彩。剪画の黒を活かした色付けです。小山さんらしくシンプルで微笑ましい作品だと思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 30, 2017

戌南舘 千晶 作 242×272mm

 いつもは装飾的な絵柄に特徴がある南舘さん。今回は装飾を廃して秋田犬をストレートに描きました。一見してシンプルに見えますが、近づいてよく見ると犬の毛先を細かく切り抜き、丁寧な仕事をしているのがわかります。この繊細な処理は、やはり作者の技術力あってのものでしょう。
 色合いも押さえて、透明水彩で薄めの彩色。茶色い毛並みに色を入れるというよりは、白い部分を際立たせるための彩色…という風にも見えます。そのかわり台紙はボコボコした素材感のあるものを選択し、作品そのものの存在感を高めました。マットを使わず和紙の耳を見せた額装もこの作品にぴったりです。
 素朴でありながら、和紙の美しさを活かした存在感のある美しい作品だと思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
   
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November 28, 2017

バディの1年

バディの1年高橋 隆 作 880×330mm×2枚

 愛犬のバディの12ヶ月を描いた作品です。1枚1枚はハガキくらいのサイズですが、12枚揃うとかなり迫力のある作品となります。1枚の額には入らなかったとのことで、2枚の中に納められました。
 お正月から始まって節分、ひな祭り、花見、端午の節句、てるてる坊主、七夕、海水浴、お月見、ハロウィーン、七五三、そしてクリスマスまで。我が子の成長を見守るかのように擬人化して描かれたバディは、生き生きとしていてユーモラスです。
 バディの体がモノトーンである分、いっしょに描かれている小物はカラフル。そのため背景となる紙には素朴な生成りの和紙を使いました。1枚1枚が繊細な部分まで描写されていて、作者の心がこもっていることがわかります。
 楽しげなバディの1年の様子。ひとつひとつじっくりと眺めてお楽しみ下さい。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
  
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November 27, 2017

ダルと雪のお正月

ダルと雪のお正月岩崎 裕子 作 272×242mm

 干支の中でも犬は種類が多く、一番バラエティに富んだ形をしています。作品展には干支らしい秋田犬や柴犬、凛々しいハスキー、愛らしいミニチュア・ダックスフンド、パピヨン、ミニチュア・シュナウザー…と様々な犬種の作品が寄せられました。中でも白と黒のダルメシアンは、剪画で描くのに適した絵柄だと言えるでしょう。
 富山に住む岩崎さんの子供の頃のお正月の記憶は、雪晴れなのだそうです。遠くに雪を抱いた立山連峰、そして近景に赤い南天、さらに寒さの中に立つダルメシアン。キリリとしたダルメシアンや南天に黒い和紙を使った分、足元の雪や遠くの山々には網ブラシを使い、柔らかい雰囲気を出しました。
 お正月にふさわしく、美しく品のある作品だと思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース

  
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November 25, 2017

戌年

戌年糟谷 南海彦 作 120×170mm

 小首をかしげて、こちらをじっと見つめるパピヨンの視線。その視線の先には飼い主がいる…ということがわかる真摯な目付きです。犬を飼っている方ならば、この仕草や熱い視線に心当たりがあることでしょう。
 右上にある金色の文字でわかるように、糟谷さんが愛犬を年賀状用に描いたとのこと。左側にすこし多めにあいている空間は、一言添えるためのものだと思います。
 耳のあたりは細かく長い毛の表現として細い切り込みを入れてありますが、細かくなりすぎず、適度に流しているのも糟屋産らしい手腕だと思います。色数を押さえているので、金色を使用しながら上品に仕上がっています。
 ワンちゃんへの愛情を感じる素敵な作品です。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
  
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November 23, 2017

庭駆け、跳ね、飛び回る

庭駆け、跳ね、飛び回る吉田 健嗣 作 520×520mm

 壁に掛けてある額ではなく、ギャラリーの小さなテーブルトップに飾ってある作品です。吉田さんはこのスペースを使って、毎年干支作品を制作しています。
 紙を4つ折りにして主な部分をカット、そのあと2つ折りにして必要な部分を仕上げているため、線対称で4枚同じ絵があります。そしてフリスビーを追って飛び回る犬はとても躍動的。随所にボールやサンダル、犬のリードなど小物が効果的に散りばめられています。このあたりのレイアウトのセンスは、吉田さんの本領発揮というところでしょう。
 いつもは白い和紙を切ることが多いのですが、今回は黒岩市を使っているので、犬の動きがくっきりと出ました。彩色にちぎった和紙を使い、そのくっきりしたラインを和らげると共に、自由で楽しい雰囲気を演出しています。
 楽しげなワンちゃんたちの姿を、テーブルでお茶を飲みながら楽しんで頂ければ幸いです。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
   
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November 20, 2017

福ふく狛犬

福ふく狛犬房間 きみ子 作 242×272mm

 先日ご紹介した「来福昇運」と同じように犬張子を描いた作品です。地方によって呼称が違うようで、タイトルは「福ふく狛犬」。そしてデザインも微妙に違います。
 「来福昇運」はピシッとしたスキのない顔付きをしていましたが、こちらの顔は少しゆるく、ユーモラスな感じ。何か物を言いたげに見えます。松竹梅をシンプルに配した背中の模様も愛らしい色合いです。
 背景に配した玉飾りはグレーの紙を切り抜き、玉はパステルカラー。優しく、遠路勝ちに主役の狛犬を引き立てています。写真では見えにくいのですが、バックグラウンドの水色には薄く青海波の模様が入っていて控えめに祝祭空間を演出。房間さんらしいユニークな狛犬となりました。もう一つの福戌と共にお楽しみ頂ければ幸いです。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
  
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November 18, 2017

来福昇運

来福昇運日野 晴美 作 272×364mm

 戌年には欠かせない干支者の犬張子。地方によって少しずつ色や形は違うようですが、福戌は安産祈願や健やかな子供の成長を祈るものだそうです。
 この絵を制作したのは日野さん。愛らしい顔立ち、きっちりとした体躯の形と華やかな色合いの戌。そしてピンク色のムラ染めの和紙を使った背景は、ふんわりと優しい感じで、いかにも日野さんらしい作品です。
 同じ絵の中に凧や梅の花をあしらい、お正月らしい雰囲気を盛り上げているのも縁起物らしい感じ。全体のバランスがよく取れた、華やかで素敵な作品です。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース
  
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November 16, 2017

引き継ぎ

引き継ぎ石川 孝 作 242×272mm

 今回の干支展では、可愛らしい感じの戌たちが多く描かれています。その中で抜群に格好良く見えるのが、この精悍なハスキーの姿です。
 基本的には黒い和紙を切り抜いてほぼモノトーンで仕上げていますが、背景に金色の円が入った色紙を使用し、舌の部分に赤い色を淡く入れました。そのシンプルな色使いがこの犬には似つかわしく、力強さを演出しています。
 毛先や体の毛はかなり細かいタッチで切り込みを入れていますが、黒く残す部分をしっかりと取っているため、それなりの貫禄もあります。キリリとした姿ながら、目をよく見ると優しそうなところも魅力的。戌年の年頭を飾るのにふさわしい勇姿だと思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース

  
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October 24, 2017

LIFE

LIFE神田 いずみ 作 300×400mm

 写真ではわかりにくいのですが、この作品は何枚も重ねた和紙によって構成されています。一番下にマーブル染めで複雑に染められた和紙、その上に淡い色の落水紙。この落水の穴から下にある和紙の色が見えます。
 さらに上に中心のハートの部分の濃いピンクの和紙、そして顔料でぼかし染めをした和紙が重ねられました。各層の紙が細かい花の模様に切り抜かれているため、下にある柄が透けて見えるのです。また紙の上に網ブラシで絵の具を飛ばし、部分的に彩色することによって、微妙な色合いを演出しています。それらがお互いに干渉して、微妙で複雑な色合いの絵柄となりました。
 薄い和紙を切り抜いて何層にも重ねることによって制作されたこの作品。一見して和紙らしい風合いは見当たりませんが、実は隠し味のようにこの絵全体を構成しているのでした。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 23, 2017

秋桜のそよぎ

秋桜のそよぎ岩崎 裕子 作 242×272mm

 美しいコスモスの花々…。白い輪郭で描かれていますが、よく見ると中心にる4輪の花は押し花です。
 現在富山にお住いの岩崎さんは、越中八尾の和紙工房に出かけ、紙漉き体験をされてきたそうです。その際に押し花を漉き込んだ和紙を作ってきました。今回の作品はその和紙を使って制作しています。
 押し花の花とコラボするかのように周囲の紙を切り抜き、剪画の花を添えました。鮮やかな色合いで、微妙な色合いの押し花を囲んでいます。背景にはごく薄い和紙を重ね、微妙な色合いを出しました。
 紙の中に漉き込む…という手漉き和紙ならではの方法を利用した、遊び心のある作品です。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)  
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October 22, 2017

like a virgin

like a virgin結城 公子 作 242×272mm

 木の皮が入った和紙や生成りのもの…様々な和紙を使った作品が今回の「Natural Surface」展には展示されていますが、白い和紙もまた、和紙の美しい風合いに違いありません。
 今回結城さんはシンプルな構図でこの白い和紙の美しさを表現しました。マネキンのように表情が見えない花嫁の顔、すっきりとしたドレスのライン、黒と赤の濃い背景…。ミニマムに押さえた表現が、輝くような白い色を引き立てています。
 写真ではわかりにくいのですが、中心の花嫁が纏っている白は雲竜紙。実際の作品を近くで見ると、薄い地に和紙の繊維が浮き出ています。ただの白ではなく、複雑な表情を併せ持つ白い和紙なのです。
 virginではなく like a virgin、奥に深みを秘めた白い和紙を使った素敵な作品です。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
  
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October 20, 2017

収穫(感謝の時)

収穫(感謝の時)六郷 もと 作 400×270mm

 今回の作品展でも六郷さんは2組セット作品を展示しています。「収穫(喜びの朝)」と「収穫(感謝の時)」で、左右対称の作品です。(喜びの朝)は青い空の下で収穫を喜ぶ女性、そして(感謝の時)の方は収穫を終えた夕方に収穫を手にしている様子です。
  どちらの作品も染料で鮮やかに染めた和紙を使用。和紙ならではの色のにじみを活かして、収穫の彩りをドラマティックに表現しています。色を変化させるだけで、風景や心象まで違って見える色のマジック。無表情に近いそれぞれの女性が、背景の色合いでそれぞれに表情を得ているように見えるのも不思議です。
 染められた和紙の、微妙で美しい色合いをお楽しみ頂ければ幸いです。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
  
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October 18, 2017

収穫のお手伝い

収穫のお手伝い仲島 あい 作 250×340mm

 昨日ご紹介した菅谷さんと同じ紙を背景に使っているのは仲島さん。竹の繊維が入った柔らかい雰囲気の生成りの紙です。同じ紙を使っても、受ける印象は違います。菅谷さんの作品では白を引き立て、柔らかい感じに仕上げていたのに対して、仲島さんの作品では、秋らしい季節感を演出しています。
 収穫したばかりの穀物を両腕に抱えた女性と女の子。彼女たちの生き生きとした表情が収穫の喜びを伝え、二人の服装が生活感を表現しています。人物が丁寧に描かれる一方、背景はシンプルにまとめられていて、描かれているのは唐草模様。焦げ茶の色合いが背景にマッチして、全体をうまくまとめました。
 秋の実りを和紙の素材感で表現した秀作です。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
   
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October 17, 2017

こころのはきそうじ II

こころのはきそうじ II菅谷 順啓 作 210×510mm

 ここのところ菅谷さんは可愛らしいお坊さんの絵を何枚か制作しています。今回は縦長の額に、文字を入れてレイアウトしました。今回は「こころのはきそうじ III」と共に2点並べて展示されています。
 彼らの可愛らしい微笑みと、「ほほえみをわすれてませんか」の言葉はご来廊の方から「こころが和む」と、人気があります。「玄関先に飾っておきます」「時折主人に見せたい」と、絵葉書を購入されてゆく方も…。
 背景は竹の繊維が入った生成りの和紙。そのため黒いラインと白い顔や衣服のの色がくっきりと目立ち、しかも全体を柔らかく見せています。もしこの絵の背景が白かったなら、もっと冷たい感じになっていたでしょう。
 和紙の温かみを活かした優しい作品です。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
  
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October 16, 2017

Natural Animals

Natural Animals南舘 千晶 作 450×650×100mm

 今回の作品展で、唯一立体の作品です。南舘さんは、和紙の素材をそのまま感じて欲しいと考えモビールを制作しました。空気の動きと共にゆっくりとゆらめくモビールの動物たち。とたんにギャラリーの空気が、生き生きとした精彩を帯びます。
 楮を使った白、竹の繊維が入っている黄色、草の繊維を漉き込んだベージュ、杉の皮を使った焦げ茶…。使われている紙は鳥取で購入したり、ご自身で漉いた紙だそうです。それぞれに微妙な表情があって、動物たちを引き立てています。
 動物の形はシンプルながら特徴がすっきりとまとめられ、さらに愛らしい形。上野の人気者シャンシャンがいるのも楽しいところです。モビールを釣る棒も自然な木の枝を使っています。素朴で愛らしいモビールの動物たちに是非会いに来て下さい。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
  
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October 13, 2017

秋の恵み 山

秋の恵み 山高橋 隆 作 272×242mm

 この作品は2連作のうちの1点です。「秋の恵み 山」ではザルにのせた栗を、「秋の恵み 海」では編み目の違ったザルにのせたサンマを描いています。秋らしく、今の時期にぴったりの画材。食欲をそそります。
 どちらの絵も細かすぎる表現が、ともすると平板に見えてしまうことがあります。が、ザルや背景に草や木の皮を漉き込んだ素材感ある和紙を使うことによって、自然の恵みの豊かさをうまく表現しました。単色の和紙を使うよりも立体感に富み、食材がより引き立っています。こうした和紙は剪画と組み合わせて使うのが難しいのですが、絵柄とマッチすると、とても魅力ある絵に仕上がります。
 秋の豊かな恵みを、剪画で味わって頂ければ幸いです。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
   
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October 12, 2017

絶壁

絶壁石川 孝 作 405×285mm

 切り立った崖に建てられているお堂。千葉県にある船形山大福寺の観音堂です。実際の観音堂の柱は赤く、色彩的に派手な色合い。この絵の前に石川さんが作った色違いの作品の写真を見せて頂いたのですが、お堂の赤と周囲を囲む緑、そして崖の茶色と、カラフルな色のある作品でした。が、意外に平凡な風景に見えました。
 今回のテーマに合わせて石川さんは木の皮を漉き込んだ荒々しい感じの和紙を使用。色彩を抑えて仕上げると、崖の雰囲気と黒い和紙の色合いが引き立って、ワイルドで、しかもすっきりとした作品に…。細かく描写された崖も陰影を持ち、その崖と一体となったかのようなお堂は神秘的に見えます。
 実際のお堂とは雰囲気が違ってしまいましたが、和紙らしい風合いと日本建築をうまくマッチさせた素敵な作品になっていると思います。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
   
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October 06, 2017

雀と紫式部

雀と紫式部日野 晴美 作 305×420mm

 次回の作品展のDMに使わせて頂いたのは、日野さんの作品です。背景に使用されているのは、麻の長い繊維を漉き込んだ和紙。その質感と素朴な色合いが美しい和紙です。半透明なのでこの紙の後にも草花の剪画を置き、遠近感を出しています。
 また、紫色に染められた落水紙を周囲に使うことによって、ふんわりとした空気感を演出。素朴な絵柄の中にも品位を感じさせる作品になりました。雀や紫式部の彩色にはむら染の和紙を張り込んでいます。和紙の自然な風合いを損ねない、やわらかな色合いが印象的です。
 様々な和紙の風合いをうまく利用しながらまとめたこの「雀と紫式部」。美しく、やさしい作品となりました。

(「Natural Surface」出展作品 2017.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
   
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September 14, 2017

幽玄

幽玄神田 いずみ 作 170×200mm

 神田さんは横向きの獅子の姿を描きました。麒麟獅子は眠り獅子とも言われ、半月型の目を閉じた表情をしています。そして東京で見る獅子舞のように激しい動きをするのではなく、悠久の時を移動するかのようにゆったりと流れるように踊ります。神田さんはそんな麒麟獅子の姿を幽玄と見たのでしょう。
 シンプルな線で獅子の顔を描き、衣はゆらぐように後ろに流れています。背景は黒地に銀色の吹付けで、空気感を表現。獅子の優雅な動きを強調するかのようです。迫力のある麒麟獅子の絵の中で、静かな魅力をたたえる絵柄となりました。

(「麒麟獅子」出展作品 2017.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)  
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September 13, 2017

擬人化麒麟獅子 〜二人で一つの精霊〜

擬人化麒麟獅子 〜二人で一つの精霊〜仲島 あい 作 272×242mm

 麒麟獅子舞では頭部に一人、そして胴体の部分にもう一人入り、二人で獅子の動きを作っています。その動作を見ながらイメージを膨らませて制作したのがこの仲島さんの作品です。
 頭部を象徴する女の子、そして胴体の動きを表現する男の子…。この二人の精霊が麒麟獅子の魂を表現しているのでしょう。麒麟獅子の赤と白の衣装がとてもお似合いで、若々しくはつらつとしています。どちらかというと女の子の方が楽しそうな表情をしているように見えるのは、気のせいでしょうか…?
 仲島さんらしい解釈で描かれた麒麟獅子。その自由で豊かな表現をお楽に下さい。

(「麒麟獅子」出展作品 2017.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース
  
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September 12, 2017

麒麟獅子舞1

麒麟獅子舞1六郷 もと 作 285×410mm

 向かい合うようにして描かれた2枚の麒麟獅子舞の剪画作品。どちらも水色の空を背景にして躍動感あふれる獅子です。六郷さんはいつも生き物の顔にフォーカスして絵を描いています。今回の麒麟獅子は迫力がありながらもどこかユーモラスな表情。生き生きとした顔つきがとても魅力的です。
 「麒麟獅子舞2」は金色に塗っていますが、光の角度によっては少しくすんで見えてしまいます。が、いかつい顔に少し渋めの色は似合わなくもありません。一方、この「麒麟獅子舞1」の方は明るい黄色の和紙を使っているため、全体に明るく、表情が冴えて見えます。
 衣をひるがえす独特の表情をした麒麟獅子。その生き生きとした表情をお楽しみ頂ければ…と思います。

(「麒麟獅子」出展作品 2017.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース
  
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September 11, 2017

這う

這う石川 孝 作 242×272mm

 色紙サイズの作品ですが、その大きさとは思えないほど麒麟獅子の表情の細々としたところまで捉えています。麒麟獅子の頭はこちらの方へせり出して来て、這い回るような体勢。実際には体は後方で四角い形に広がっていますが、この絵では丸くカットしてあります。抽象的な形である分、獅子の表情がより強調され、いまにも絵から飛び出してきそうに見えるのです。
 獅子の顔、口の中、眉のところは、それぞれに金色と赤の絵の具を吹き付けました。そのため、黒いラインにも少し陰影があります。また、小さな画面ではわかりにくいのですが、赤い衣装にも随所に金色の吹付が施されています。
 繊細な手順で制作された、迫力のある作品です。

(「麒麟獅子」出展作品 2017.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)
  
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