December 08, 2023

もう一人はクリスマスゲスト

もう一人はクリスマスゲストトドロワ プロレチナ 作 285×195mm

 もう1点クリスマスの作品をご紹介。ブルガリアから送られてきた作品です。雪だるまさんたちがクリスマスのプレゼントを運んでいます。クリスマスゲストのためでしょうか?
 日本の雪だるまは頭と胴体、2つの雪の玉からなっていますが、西洋の雪だるまは頭と上半身、下半身の3つの部分から作られています。ポーションが違うと雪だるまの雰囲気もより人間地に近いものに思えるのも面白いです。
 水彩絵の具のにじみを使った背景に、ところどころ白い紙や千代紙を使って彩色しているのも良い雰囲気。その模様や色合いで、表情がない雪だるまさんたちも何となく楽しそうに見えます。クリスマスに向かう心弾みを表現した素敵な作品です。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  

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December 06, 2023

赤鼻のトナカイ

赤鼻のトナカイnori 作 148×210mm

 ポインセチアのリースから顔を出しているハンサムな赤鼻のトナカイさん。背景を日本の伝統柄と雪の結晶を配して和洋折衷でまとめまたnoriさんらしい作品です。
 今回noriさんは黒い紙ではなく、白い紙を切り抜いて輪郭線にしています。小さな絵なので、本当に細い線ですが、その中を丁寧に和紙で彩色。細い線を切り抜くのも大変ですが、こうした繊細な部分に一つ一つ色を入れるのは、もっと時間のかかる作業です。
 白い線と和紙の柔らかな彩色によって、ビビットな赤と緑という伝統的なクリスマスカラーよりもソフトで優しい仕上がりになりました。このメロウな雰囲気のトナカイさんに魅入られて絵葉書を購入する方も…。
 赤鼻のところはラメを使っているところもポイント。この和風のトナカイさんもぜひ実物を鑑賞して頂きたい作品です。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 30, 2023

プレゼント I

プレゼント I神田 いずみ 作 242×272mm

 今年の干支の龍は描き甲斐があるためか、多くの作家さんたちが描いてくれました。その分クリスマスの作品は少なめでしたが、個性的なものが集まりました。中でも神田さんが描いたスノードームは可愛らしく、とても人気があります。
 雪の夜、サンタクロースの帽子をかぶってペンギンたちにプレゼントを差し出すクマさん。キョトンとした感じのペンギンの表情や、優しいクマの笑みが、見る者を温かい気持ちにさせてくれます。写真ではわかりにくいのですが、背景は雲竜和紙やマーブルプリント紙を使って、美しく演出。その素材感も良い感じです。
 実はこの作品もう1点色違いがあります。プレゼントIの方がクッキリとした色使いで、写真写りが良いのでここで紹介させていただきましたが、落水紙を使ったプレゼントIIも素敵です。その淡い和紙の雰囲気もぜひギャラリーで楽しんでください。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 28, 2023

辰年に想いを込めて

辰年に想いを込めて原子 みす江 作 242×272mm

 ギャラリーには勇ましい龍の絵が並ズラリ。もちろん強面だけでなく優しい龍を描くことも可能なのですが、もう少し可愛らしい龍を…という人はタツノオトシゴを描いています
 原子さんが描いたのは金色の輪郭に赤い彩色がなされたタツノオトシゴ。背景は同じく金色の色紙を使い、枝垂れ桜を配して華やかに演出しています。シンプルながらお正月にふさわしい干支の図柄です。
 海外の友人からは、なぜ龍の作品展にタツノオトシゴが描かれているのか…と質問がありました。タツノオトシゴは英語でSeahorseなので、ドラゴンの仲間ではなく、馬の仲間になってしまうのですね。文化の違いの面白さを感じた出来事でした。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 26, 2023

龍虎の戦い

龍虎の戦い高橋 隆 作 392×233mm

 実力が伯仲するもの同士の戦い…そんな龍と虎の姿を描いた作品です。龍はとぐろを巻くように身をかがめ、手足を大きく広げています。対する2匹の虎は龍との間合いを取りながら、今にも襲いかかろうとしているかのよう…。どちらも強さと王者の風格を象徴し、そても人気のある干支です。
 龍も虎も細かいところまで描写し、切り抜いて、丁寧に色を入れてあります。こうした繊細な作業は高橋さんの得意とするところ。そして仕上げに大胆なラインをいれた和紙を使うことによって、両者の勢いや戦いの激しさを表現しました。
 この背景に入れられている風のような勢いのある線は、あらかじめこの和紙に描かれていたそうです。以前購入したこの和紙が頭にあって、この作品を制作するときに活用したとのこと。和紙との出会いが作品を仕上げることもあるのです。
 ギャラリーでは少し見上げるような位置に展示してありますので、天空の壮大な戦いに思いを馳せながらご鑑賞いただければ幸いです。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 24, 2023

私のなかの龍

私のなかの龍居木井 啓子 作

 日本では龍は神様として崇められ、強く、神々しい姿で描かれることが多いようです。今回の作品展でも、龍がカッコよく、精悍な感じの龍がズラリ。その中でこの作品のタイトルが目に止まります。
 私のなかの龍…体を起こし、正面をしっかりと見据えるその姿。背中は青い鱗に覆われていますが、全面は様々な色の花のような模様が散りばめられています。黒い縁取りであるだけに、カラフルな色合いが引き立って見えるのです。その佇まいがなんとなく作者に似ている…と思うのは私だけでしょうか?
 自分自身を見つめながら描いた龍の姿。この絵の前で作家さんにその思いを語ってもらいたいですね。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 22, 2023

龍の花

龍の花大内 美佐子 作 260×350mm

 暗い空に白い月。そしてそれを見上げるかのように空を仰ぐ龍の姿。その龍は花々の中から空に向かっているのでしょうか。闇夜の紫の花々は静寂を象徴するかのように静かに咲き誇り、とても神秘的に見えます。
 背景には墨でまだらに染められた和紙。花々には少しずつ色調を変えた紫の紙を丁寧に張り込んであります。大内さんらしい繊細なタッチが、その色合いにぴったり。美しい龍の姿を描き出しています。
 全体に少し暗めなので、ギャラリーでは背景から光を入れてアクリル額の中に浮き上がるように展示中。その日のお天気によって多少見え方が変わるかも知れませんが、そんな状況も含めてこの作品を楽しんでいただければ…と思っています。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 19, 2023

辰南舘 千晶 作 280×410mm

 赤い雷紋(四角の渦巻き)と黒い龍を合わせた作品。シンプルな構図と色彩で、見る側に強烈な印象を残します。実は、大きさとデザインをちょっと変えてみると、この組み合わせはラーメンの器にあるデザインなのです。誰もが無意識のうちに見ているものですが、大きさと配置が違うと、全く違った印象を残します。
 背景は南館さんが良く使う手漉きの耳つきの紙。色数が少ない分、この重厚な質感が作品を格調高く演出しています。右の手にしっかりと宝珠を掴み、天に向かって咆哮するかのような龍の姿。新しい年を力強いものにしてくれそうですね。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 16, 2023

寿・青龍

寿・青龍日野 晴美 作 260×380mm

 龍は架空の動物なので、何色に描かれても良いと思うのですが、五行説に従って黄・青・赤・白・黒で描かれることが多いようです。今回、日野さんが描いたのは青龍。青龍は中国の伝説上の神獣で、東方を守る神です。
 この絵の中では角を戴き、手にしっかりと宝珠を持ち、手足と尻尾に炎をまとい、体は鱗に覆われています。体長はそれほど長くはありませんが、龍らしい特徴をしっかりと備えた姿。それをコンパクトにまとめたのは日野さんの力量です。
 背後には鮮やかな黄色をおいて、その青い体躯を引き立てています。さらに背景として富士・凧・松を配し、祝祭の場を演出しました。辰年の始まりにふさわしい華やかで力強い作品だと思います。

(「干支2024辰+縁起物+クリスマス」出展作品  2023.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース)  
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November 02, 2023

時を閉じ込める

時を閉じ込める小野寺 マヤノ 作 305×432mm

 すでに終了した「茶色は秋の色」展に出展した作品です。少し複雑に見えますが、実際には3枚を重ねて切り、それらを1枚の絵の中に張り込んであるので、実際より込み入って見えるのです。むら染の赤めの和紙の下に濃い茶色の和紙を少しずらして置き、その背後に薄い茶色の紙を分解して配置しました。写真ではわかりにくいのですが、その上にさらに2体の動物の骨を重ねてあります。
 茶色と秋という言葉をテーマの中に入れた時、私が一番最初に思い浮かべたのは化石でした。そして今までに別々に見た化石の写真のイメージをまとめたのがこの作品です。魚や獣の骨、植物の葉の痕跡、巻き貝…その形は、木の遠くなるような時を経て、岩や地面の中に刻印されました。はるかなる時を閉じこめつつ…。静かな秋はそんな時に思いを馳せるのに最適な季節ではないでしょうか?
   
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October 27, 2023

秋の音 II

秋の音 II日野 晴美 作 437×590mm

 色とりどりの落ち葉。この猫はその上をカサコソと音を立てながら、遊んでいるのでしょうか。少し渋めの色に彩色された落ち葉は、秋の落ち着きを感じさせます。
 この作品は現在の「茶色は秋の色」展に展示されていますが、実はパンフレットと販売されている絵葉書の色合いは、少し違っているのです。パンフレットの写真はもっと鮮やかな色合い。同じ絵柄でも使う色が変わると全く違う印象になります。
 もう一つの作品は東京都美術館で開催された「青枢展」用に制作されたもので、私がパンフレットを作る時に間違えてその写真を使用してしまいました。別々に見ると気が付かないかも知れませんね。どちらが好きかは見る人によって分かれるようですが、どちらも素敵な作品だと思います。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 25, 2023

おちば焚き

おちば焚き高橋 隆 作 378×276mm

 山の向こうに日が沈み、あたりが少し暗くなって来る頃。山のふもとぐっと寒くなってきて、焚き火のまわりの暖かさは格別です。そこで芋を焼いている子どもたちも楽しそう…。この体験をしたことがない人も、どこか懐かしくなる風景ではないでしょうか。
 木々の色、柿の色、オレンジ色の夕焼け、そして土の色や暮れゆく山の色は茶色に染まっています。オレンジ色と茶色のコンビネーションは、まさに秋の色。高橋さんはこの空を描くのに、薄い和紙を重ねて暗い部分と明るい部分を塗り分け、秋の夕焼けらしい鮮やかな色合いに仕上げました。
 茶色はちょっとした光の加減で違った印象に見えてしまうことがあります。里の秋の色彩を、ぜひ原画で楽しんでいただきたいと思います。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース
   
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October 22, 2023

鹿に紅葉

鹿に紅葉南舘 千晶 作 392×283 mm

 ギャラリーにいらしたお客様がこの絵を見ながら一旦通り過ぎ、しばらくしてから「あぁ、花札ですね?」とおっしゃったりします。
 この花札の「鹿に紅葉」は、メーカーが違ってもほとんどの花札で構図が同じです。が、色合いが違うので、最初に見た時に気が付きにくいようです。この絵柄の中に赤や黄色の紅葉の色を入れ、鹿にオレンジ色を入れると見慣れた花札ができ上がるでしょう。印象を全く変えてしまう…色彩というのは面白いですね。
 同じような絵が描かれている花札ですが、やはり鹿の顔つきはどの種類のものも少しずつ違います。とても柔らかい、優しい表情の鹿が南館さんらしいです。彩りの秋ですが、モノトーンでも秋らしさを感じさせてくれますね。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 19, 2023

吾亦紅と秋の空

吾亦紅と秋の空宮本 真理 作 210×297mm

 夏から秋にかけて草原に咲く吾亦紅。長い茎に暗赤色の小さな花を付け、それほど目立たない花ですが、独特の風情があります。吾亦紅が花のアレンジメントに入っていると、ことさら秋を感じる方も多いのではないでしょうか?
 この絵では吾亦紅だけを花瓶に差して飾ってあります。背景は柔らかい感じの秋の空。周囲をナチュラルな壁で囲み、細長い形の窓から空を覗くように描くことによって、なおさら秋の空の高さを感じさせてくれます。
 自然な色合いの和紙の色と緩やかな秋の空、そしてそこに咲く赤みを帯びた茶色の吾亦紅…。気持ちの良い秋の日を感じさせてくれる作品です。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 16, 2023

秋を愛でる

秋を愛でる外山 豊子 作 210× 297mm

 もう一点、食べ物に関する作品をご紹介。外山さんが描いたのは、まげわっぱのお弁当箱と酒器です。まげわっぱはもともと庶民的な道具だったと思うのですが、今は伝統工芸として貴重なものとなりました。昔ながらの方法で、職人さんたちが1つ1つ丁寧に作っています。
 そのまげわっぱにおにぎりを入れて出かけるのは、とても楽しそう。周囲には紅葉や吾亦紅、ススキなど秋の風景。全体にシックな色合いの和紙を使い、様々な色を含みながらも、茶色のトーンでまとめられています。この色の組み合わせが素敵で、とても外山さんらしいと思いました。
 まげわっぱにおにぎりを詰めて出かける…まさに秋を楽しむ1日ですね。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 15, 2023

いつかの食卓

いつかの食卓大野 愛 作 420×297mm

 先日ご紹介したのは栗やキノコは素材そのものを描いた作品ですが、この作品は調理された食べ物を描いています。
 大野さんは自身でこの日の食事、サンマ、煮物、お味噌汁、炊き込みご飯を調理し、それを写真に撮って、そこから絵を起こして作品を制作しました。絵の細部までくまなく描かれているのはそのためです。写真から絵を起こす場合、しばしば細部を省略するのがとても難しくなることがあります。
 この作品の場合は、そうした表現がうまく作用しました。人参や銀杏など、鮮やかな色を随所に入れて、茶色い食材が多いお皿を引き立てています。背景のナチュラルな色合いも素敵です。
 秋の味覚を十分にもりこんだ庶民的な食卓。日本人なら誰もが食欲をそそられる作品だと思います。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 14, 2023

食欲の秋 きのこづくし

食欲の秋 きのこづくし石野 千鶴子 作 397×275mm

 秋の味覚を描いた作品をもうひとつご紹介。キノコはもちろん世界中で食べられていますが、これだけ多くの種類のキノコを季節を問わずに食べられるという国は、そう多くないと思います。
 マイタケ、エリンギ、エノキ、シメジ、シイタケ…。こうしたキノコは今や一年中食べることができますが、やはり秋はキノコの季節。そしてキノコは味だけではなく、シンプルに描くだけでも、とても絵になる形をしていると思います。
 石野さんは茶色を組み合わせたキノコを色とりどりのイチョウの葉で囲み、華やかに演出。より秋らしい雰囲気に仕上げました。おいしそうなキノコたち。見ているだけでお腹が空いてくるような気がしませんか?

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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October 13, 2023

森の贈り物

森の贈り物千葉 孝子 作 242×272mm

 秋の茶色と聞いてまず思い浮かぶのは秋の味覚という方も多いのではないでしょうか。中でも森や畑から収穫するものは、茶色のものが多いです。木の実、キノコ、芋類…。千葉さんはその中から森の贈り物として栗やドングリを描きました。
 栗のイガや松ぼっくり、松の葉など細かい部分を丁寧に切り出し、網ブラシで彩色。焦げ茶色、黄色に近い黄土色、赤みを帯びた茶色など、使われている茶色の種類も豊富です。秋を感じさせる図柄ながら、どこか暖かい感じも伝わってきます。それはもしかしたら作者の人柄を表すものかもしれません。
 千葉さんが描いた森からの贈り物…まさに茶色は秋の色ですね。

(「茶色は秋の色」出展作品  2023.10.11〜10.28 於:剪画アート&スペース)  
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September 15, 2023

協力

協力梅崎 ゆう 作 242×272mm

 和紙の風合いが美しく、ちょっと抽象的な感じのする作品。人体の部分である感じは受けるものの、不思議な雰囲気で、暖かい感じもします。作品展のタイトル「人体」は、梅崎さんの提案だったこともあって、この作品をDMはがきやポスターに採用しました。それでもこの作品には何が描かれているか確信が持てなかったのですが、今日梅崎さんがギャラリーにいらして、ようやくこの作品の背景がわかりました。
 梅崎さんは少し前にストレッチのクラスで無理をしてしまい、肩を痛めたのだそうです。その時に、肩の周囲では4本の筋肉が協力して腕を動かしていること、1本を痛めても他の筋肉がカバーして動くことを学んだとのこと。体の中の協力関係を思い浮かべながら制作したのがこの作品です。
 描かれた動機はわからなくてもこの作品を楽しむことはできますが、やはり説明を聞くとより深く鑑賞することができますね。

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース)  
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September 13, 2023

よそ者

よそ者まるぽ 作 105×155mm

 人の体に無駄なものはないはず…ですが、その機能とは関係なく抜かれてしまう体毛。いまや女子だけでなく、若い男性も脱毛する時代となりました。もともと体を守るために生えている毛にとっては迷惑な時代なのかも知れません。
 そんな状況を、作者のまるぽさんはモノトーンで漫画的に、コミカルに表現しています。しっかりと根を下ろした体毛に迫る毛抜。その恐怖に涙する毛と、その向こうにはしっかりと見守っている2つの目も見えます。人間社会と体の一部について、あらためて考えてしまう1コマです。
 小さいけれど、スパイスの効いた作品だと思います。

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース)  
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September 12, 2023

あたたかい

あたたかい大内 美佐子 作 350×260mm

 器官や機能ではなく、人の体の全体の印象を表現したのがこの作品です。大内さんは最近人体の温かみを感じたことがあったそうで、その感覚をそのまま描きました。
 背景に繊細な花々を描き、その中心に佇む女性が佇んでいます。羽を付けたこの女性が抱きしめているのは、大きなハート。重ね切りをしたピンクのラインと、このハートの淡いピンクの和紙が優しい雰囲気を演出しています。
 この作品は2枚のアクリル板に挟まれているため、画像をスキャンした時に顔の表情が消えてしまいました。実物を見ていただくと、目鼻がきちんと描かれているのがわかると思います。作品は窓辺に飾ってありますので、繊細なラインと共に、ぜひこの表情も楽しんで下さい。

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース)  
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September 11, 2023

百歳の脚力

百歳の脚力六郷 もと 作 270×410mm

 この絵は11月に100歳になる六郷さんのお母さんを描いたものだそうです。スポーツ番組が大好きで、見ながらマシーンを活用、散歩も毎日1時間されるとか…そんなエネルギッシュなお母さんの姿をこの絵で見て、六郷さんがパワフルなのも納得しました。社会は高齢化していますが、ただ長生きするだけではなく、健康で何事にも意欲を持って活動しながら日々を過ごしたいですね。
 いつも幻想的な人物を描く六郷さんですが、時折リアルな人物も描きます。グラデーションの和紙をうまく利用して、六郷さんらしい色鮮やかで陰影に富んだ彩色を施しました。描いた人の愛情が感じられる素敵な作品です。

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース)  
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September 09, 2023

脳の不思議

脳の不思議宮本 真理 作 272×242mm

 体の中でももっとも重要な部分…脳。その脳にフォーカスして制作された作品です。
 宮本さんがこの作品を作るきっかけをコメントとして書いてくれたので、それを掲載させていただきます。「いろいろな分野で、この方の脳はどうなっているのかな〜と驚くことが多いです。最近は藤井名人。私は将棋は全く知りませんが、今回スポットを当ててみました。」
 確かに脳は不思議。無限の能力を秘めていて、わたしたちはまだその力をちゃんと知らないようにも思えます。そこから様々な作品を作ることができそうですね。
 脳の彩色に青色を使ったり、背景に和紙の柔らかさを活かしたり…随所に作者の工夫が見られる佳作です。

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース)  
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September 07, 2023

スカル

スカル岡田 桂子 作 110×110mm

 見えないところにある骨も、もちろん人体の重要な一部です。岡田さんはスカルの他に手と足の骨も描いています。どの作品も小さなものです。
 写真ではわかりにくいのですが、このスカルの輪郭線は銀色、そしてピンクや藤色、オレンジ色、黄色と全体が優しい色合いで彩色されています。描き方によっては恐ろしげにも、不気味にも見えてしまうスカルを可愛らしく優雅に表現したところが岡田さんらしいと思いました。
 この作品は六角形のガラスの額に入っていて、何かの標本のようにも見えます。この作品にはふさわしい演出ですね。岡田さんの骨の作品は一角にまとめてあります。3つの作品をぜひまとめて鑑賞してみて下さい。

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース
  
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September 06, 2023

つかむ

つかむ坂上 裕子 作 210×297mm

 人体のうちの一部を描いた作品。今回の作品展では、手を描いた作品が2点出展されています。日常生活の中で、一番使うことが多いからかも知れません。
 触る、掴む、押す、道具を使う…手は本当に様々な動きを行います。無意識に動かすことも多い手ですが、何らかの意図を持って動かすことも多いでしょう。この作品の中で手が持っているのは一輪の花。未来への希望を表すかのように咲き誇っています。
 今回、坂上さんは手を描くのに苦労していました。線で影を入れることもできますが、入れすぎるとガサガサした感じになってしまいます。線と共に和紙の色合い使いながら手全体の存在感と持ち主の意志をうまく表現しました。全体にバランスの良い作品に仕上がっていると思います。
 一輪の花とそれを握る人間の手。あなたはそこに何を見出すでしょうか?

(「人体」出展作品  2023.8.30〜9.16 於:剪画アート&スペース)  
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