神田 いずみ 作 320×225mm
“Spring River” by Izumi Kanda
剪画というよりは貼り絵のようにも見える作品です。ピンク色の薄い和紙は下の色を透かします。そのため、神田さんはこの紙の下に、光が射しているような白い和紙を置いたり、水の動きが見えるように青い和紙に切れ目を入れて配置したり、魚を泳がしたり…と様々なしかけをほどこしました。重ねた紙の効果を何度も試しながら貼り合わせていき、使わなかったパーツもかなりあるそうです。
春霞のようなぼかしが入った川面に、濃淡の違った桜の花びらが浮かんでいる様子はとても幻想的。この絵の前で立ち止まって、しばらく見入っている方もいらっしゃいます。うららかな春の日を描いた秀作です。
(「桜 –我が心のふるさと–」出展作品 2024.3.13〜4.6 於:剪画アート&スペース)