宮本 真理 作 242×272mm
“Doufuki Sakura” by Mari Miyamoto
通常、桜は木の枝に咲きますが、木の幹から直接咲く花を胴吹き桜と言うそうです。これは木の力が落ちてきた時に起きる現象で、古い樹に見られるとのこと。そういえば、桜が咲き始める頃、何度か水元公園でも写真を取ったことがあります。確かに古くて立派な樹でした。
宮本さんはこの幹の感じを水墨画のようなイメージで描きたかったので、墨を使って和紙を自分で染めました。遠くの枝に咲いている桜は、ムラ染のピンク色の和紙の上に落水の和紙を重ねて表現、そして胴吹き桜は和紙をちぎって彩色しています。そうした和紙らしい質感を利用して、重みのある幹とふわふわとした桜の花をバランス良く描き出しました。
下から見上げた品格のある胴吹き桜。春の息吹を感じさせてくれる作品です。
(「桜 –我が心のふるさと–」出展作品 2024.3.13〜4.6 於:剪画アート&スペース)