June 11, 2019

人生は放物線

人生は放物線結城 公子 作 75×363mm

 今回の出展作品の中で最もシンプルにして強いメッセージ性を持っているのがこの作品ではないかと思います。
 通常は文字を書くのに使う細長い短冊を台紙に使い、一つなぎになったシンプルな絵を貼り付けてあります。極端なカーブを描いた放物線とそのラインに沿って配置された人物。左側にハイハイする幼児、曲線の頂上に壮年期の人影、そして右下に杖をついて歩く人物像…。それぞれに時間を追った作者の姿を投影しているのでしょうか。
 内容はシビアですが、絵全体からは何となくユーモラスな感じが漂ってきます。結城さんらしい個性的なタッチと、人生全体に対するどこか乾いていながらも温かい目があるからではないでしょうか。
 是非実際の作品を見て、皆様の感想をお聞かせ下さい。

(「細なが〜い!」出展作品 2019. 6.5〜6.29 於:剪画アート&スペース