November 30, 2017

戌南舘 千晶 作 242×272mm

 いつもは装飾的な絵柄に特徴がある南舘さん。今回は装飾を廃して秋田犬をストレートに描きました。一見してシンプルに見えますが、近づいてよく見ると犬の毛先を細かく切り抜き、丁寧な仕事をしているのがわかります。この繊細な処理は、やはり作者の技術力あってのものでしょう。
 色合いも押さえて、透明水彩で薄めの彩色。茶色い毛並みに色を入れるというよりは、白い部分を際立たせるための彩色…という風にも見えます。そのかわり台紙はボコボコした素材感のあるものを選択し、作品そのものの存在感を高めました。マットを使わず和紙の耳を見せた額装もこの作品にぴったりです。
 素朴でありながら、和紙の美しさを活かした存在感のある美しい作品だと思います。

(「干支戌+猫 2018」出展作品 2017.11.15〜12.9 於:剪画アート&スペース