July 11, 2010

流水金魚・2

流水金魚・2南舘 千晶 作 242×272mm

 色紙サイズの作品。面白いことに、今回のテーマ「水-Water-」で金魚をモチーフに制作した作家は、3名いました。それぞれに特徴が出ていて、見比べるとそれぞれの個性が感じられます。手法的には一番オーソドックスですが、独特の世界を描かれているのが南舘さんの作品です。
 南舘さんは「花金魚」「流水金魚・3」と3点作品を出展して下さいました。その中で、全体のバランスが絶妙だったのがこの作品です。描く線の流れがとても美しいのが南舘作品の特徴ですが、その強みを最大限に生かしています。
 優雅に泳ぐ金魚、ゆらゆらと流れる水面、たおやかに風にゆれる柳の葉…。どれをとっても美しく、涼しげです。そして静かながらもそれぞれが、ゆっくりと動いているのが画面から伝わってきて、画面から目が話せなくなってくるのです。
 毎年夏になったら、出してきて見えるところに飾っておきたい…そう思わせる作品です。

(「水−Water−」出展作品 2010.7.2〜7.25 於:剪画アート&スペース


この記事へのトラックバックURL