
糟谷 南海彦 作 95×145mm
絵はがきサイズの小さな作品です。手前に親子のトーテム・ポール。背景に道のような幾何学模様があり、写真ではちょっとわかりにくいのですが、背景には光る素材を使った紙を敷いています。紙の素材感をうまく使うと、小さくてもそれなりの重量感が出て来るのです。
この絵の中心となるトーテム・ポールがとてもユーモラスな表情をしています。そして繊細な線を用いているのに対して、背後の幾何学模様がしっかりと黒い面積を押さえているので、絵全体が剪画作品として、バランス良く見えます。
絵の構図が面白いだけでなく、テーマを分かりやすく押さえ、しかも「柱」の形だけではなく、その言葉が含む意味合いや、関係性まで問いかけている…そういった意味で、小さいながらも今回の作品展を代表する作品だと言っても良い気がします。
(「柱 -pillar- 」出展作品 2009.6.6〜6.28 於:剪画アート&スペース)